金融市場NOW
日・米・ユーロ圏の景況感がいずれも50を上回る
2023年02月24日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
サービス業の伸びがけん引し、景況感が改善
- 日・米・ユーロ圏の総合PMIがいずれも前月より改善し、好不況の境目とされる50を上回る水準に。
- 景気減速懸念などから新規受注が伸び悩み、製造業の景況感は50を下回る。
- 欧米の暖冬や中国の行動制限解除などにより観光業を中心にサービス業景況感が改善。
- エネルギー価格高騰や供給網の混乱が落ち着きつつあり、今後製造業景況感の改善も期待される。
日・米・ユーロ圏の景況感が50を上回る
S&Pグローバルが21日に発表した2月の米国総合PMI(購買担当者景況感指数、速報値)は50.2と1月の46.8から3.4ポイント上昇しました。また、ユーロ圏の総合PMIは52.3.と1月の50.3から2.0ポイント上昇、日本の総合PMIは50.7と1月の50.7から横ばいとなりました。いずれの国・地域も好不況の境目とされる50を上回る水準となりました(グラフ1)。日・米・ユーロ圏がいずれも50を上回るのは2022年6月以来のこととなります。
観光業を中心にサービス業が上昇
製造業PMIは米国が47.8(前月比+0.9)、ユーロ圏が48.5(同-0.3)、日本が47.4(同-1.5)といずれの国・地域も50を割り込んでいます(グラフ2)。欧米金融当局の金融引き締めの長期化による景気減速懸念などにより、新規受注が低迷していることが影響していると考えられます。サービス業PMIは米国が50.5(同+3.7)、ユーロ圏が53.0(同+2.2)、日本が53.6(同+1.3)といずれの国・地域も前月より上昇しました(グラフ3)。欧米が暖冬であることや中国の行動制限が解除されたこともあり、観光業を中心に景況感が改善したとみられます。
供給網混乱の改善などから製造業の改善も
サービス業の景況感は改善基調にあるなか、人手不足などを背景に賃金が上昇基調となっています。足元では賃金上昇圧力がインフレ押し上げの主な要因の一つとみられることから、今後の賃金動向には注意が必要と思われます。インフレ高止まりから、各国・各地域の中央銀行による金融引き締め長期化が懸念されるものの、エネルギー価格高騰や供給網の混乱などが落ち着きつつあることが報告されており、製造業の景況感が徐々に改善に向かえば、過度な景気減速懸念が後退することも期待されます。
金融市場動向
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