金融市場NOW

法人企業統計 設備投資が引き続き堅調

2018年06月07日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

半導体関連の増強投資がけん引

  • 2018年1~3月期の法人企業統計によると全産業の設備投資は前年同期比3.4%増となった。
  • 経常利益は同0.2%増の20兆1,652億円で7四半期連続での伸び。1~3月期としては過去最高。
  • 6月8日に発表される2018年1~3月期の国内総生産(GDP)の改定値は上方修正が見込まれる。

6月1日に財務省が発表した2018年1~3月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融業、保険業を除く)の設備投資は市場予想を上回る前年同期比(以下同様)3.4%増となり、6期連続の増加となりました(グラフ1)。製造業は、半導体製造装置の世界的需要増が寄与したものの、円高の影響により輸出企業への打撃が大きく、経常利益は減益となりました。その一方で、非製造業は運輸業や電気業を中心に好調で、経常利益は3四半期ぶりの増益、設備投資も増加となりました。

設備投資を業種別でみると、製造業の設備投資が同2.8%増となりました。半導体や半導体製造装置向け部品の増産投資や、加工食品の生産能力増強に向けた投資などが寄与しました。非製造業は、同3.6%増となり、不動産業における商業施設の開発等を中心に、サービス業でのシステム投資の増加がけん引しました。

経常利益は同0.2%増の20兆1,652億円で7四半期連続での伸びとなり(グラフ2)、経常利益の額は1~3月期としては過去最高となりました。けん引したのは非製造業で同5.0%の増加となりました。卸売業・小売業を中心に資源価格上昇を受けて販売価格が上がったことが奏功したようです。一方、製造業は円高の影響により8.5%減と6四半期ぶりの減益となりました。

法人企業統計の結果等を受けて、6月8日に発表される2018年1~3月期の国内総生産(GDP)の改定値は、速報値から上方修正されると見込まれています。

グラフ1:設備投資(全産業)は6期連続の増加

※全規模ベースの設備投資(前年同期比増減率)の推移
(全産業及び非製造業には金融業、保険業は含まれていない。)
出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:経常利益は7四半期連続の伸びとなる

※全規模ベースの経常利益(前年同期比増減率)の推移
(全産業及び非製造業には金融業、保険業は含まれていない。)
出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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