金融市場NOW

女性やシニア労働人口の5割に

2016年08月29日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

人手不足を補い成長率の底上げに期待

  • 就業者全体に占める女性と65歳以上の高齢者の割合が5割を超える。
  • 介護・福祉分野の人手不足を補うため、女性とシニア層が新たな働き手になりつつある。
  • 働きたい人が働き続けられるようになれば、労働力を補うことが可能に。

総務省が公表した2015年の国勢調査の抽出速報集計で、就業者全体に占める女性と65歳以上の高齢者の割合が初めて5割を超えたことがわかりました。少子高齢化の進展により、労働力人口は6,075万人と前回の2010年調査と比べ295万人減少し、6,000万人割れが目前となりました(グラフ1)。増加傾向にある介護・福祉分野の人手不足を補うため女性とシニア層が新たな働き手になりつつあります。今回の調査で働く女性とシニア層を合計すると、全就業者に占める割合は51.7%となり、初めて半数を超えました。就業者の男性割合が高い60代が退職期を迎え男性全体の就業者数が減ったことに加えて、人材不足となっている業種が製造業から介護などサービス産業に移りつつあることが要因とみられます。

女性の労働力率※をみると25~29歳をピークに、30代は結婚および出産を機に退職してしまうため低下し、育児後に復職して40歳以降の労働力率は再び上昇するM字カーブの形となっています(グラフ2)。このカーブを解消できれば日本経済の下支えにつながる可能性も期待されます。

  • 15歳以上人口(労働力状態「不詳」を除く。)に占める労働力人口の割合のこと

現在、日本の潜在成長率は0%台で推移しており、労働力の減少が成長率を底上げするうえでの障害となっています。結婚や出産をしても働きたい人が働き続けられるようになれば、労働力を補うことができるようになると見込まれています。

グラフ1:労働人口は6,000万人割れ目前

労働人口は6,000万人割れ目前グラフ
※労働力人口の推移
出所:総務省「国勢調査」のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:出産・育児のため30代女性の労働力率は低下

出産・育児のため30代女性の労働力率は低下グラフ
※女性の労働力率の推移
出所:総務省「国勢調査」のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

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