金融市場NOW

イタリアはロックダウンの一部を解除

2020年05月12日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場ラインマーカー

ロックダウン解除の成否に注目が集まる

  • 一部の格付け機関がイタリア国債を格下げしたものの、市場の混乱とはならず。
  • 新型コロナウイルスの新規感染者数・死亡者数が落ち着きつつあることを受けて、5月4日にロックダウンの一部を解除。ロックダウン解除の成否に注目が集まる。

イタリア国債の格下げは波乱とならず

フィッチ・レーティングスはイタリア国債の格付けを1段階引き下げました(BBB⇒BBB-、見通しは安定的)。格下げの理由として、新型コロナウイルスの影響によるイタリアの財政とGDP(国内総生産)成長率悪化の見通しを挙げています。フィッチ・レーティングスの格下げを受けて、イタリア国債利回りは一時上昇(価格は低下)しましたが、ECB(欧州中央銀行)の資産の買い入れによって「実質0%の金利で債務の借り換えが可能になっている」と見られていること、他の大手格付け会社が格下げを見送ったため投資不適格級になることは遠のいたとの見方が台頭したことを受けて、落ち着いた動きとなっています。

イタリアはロックダウンの一部を解除

グラフ1:イタリアの新型コロナウイルスの感染状況

  • 出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

イタリアは新型コロナウイルスの感染者数・死亡者数ともに世界第3位となるなど大きな打撃を受けています。2020年度はほぼゼロ成長になると見られていましたが、新型コロナウイルスの影響で2ケタに近いマイナス成長になるとの予測も出ています。感染拡大を防止するためのロックダウン(都市封鎖)期間は約2ヵ月に及び、景気後退懸念に加えて市民の不満も高まっていました。イタリア政府は足元で新規感染者数・死亡者数ともに落ち着きつつあると判断し【グラフ1】、5月4日にロックダウンの一部を解除しました。ロックダウンの解除を評価する声がある一方で、被害が比較的軽微であった南部の一部の州は、今回のロックダウン解除の手順は慎重すぎるとして独自の対応を進めることを公表しています。コンテ首相はロックダウンを一部解除したものの、依然としてパンデミックの最中であるとして、政府の指示に従うべきだと警告しています。パンデミック中のロックダウン解除がどのような結果をもたらすか、世界から注目が集まりそうです。

5月末実施の地方選挙は秋以降に延期

グラフ2:イタリアの政党支持率の推移

  • 出所:Politicoのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

5月末に6州で地方選挙が行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で9月以降に先送りされました。支持率が低迷し【グラフ2】、劣勢が伝えられていた与党にとって時間的猶予が与えられたと言えそうです。今回のロックダウン解除により景気が上向き地方選挙で議席を維持できれば、政権への国民の信任が得られたとして、EU(欧州連合)と良好な関係を築いている連立政権の継続が期待されます。反EUの姿勢を示す野党の発言力が増す場合には、イタリアとEUの対立が再燃する懸念もあることから、今回のロックダウン解除の成否は注目されそうです。

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