金融市場NOW

デンマークの住宅市場動向

2018年07月30日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

足元のデンマークの住宅価格は経済成長にほぼ沿って推移

  • 一部では住宅価格がリーマン・ショック前のピークを大きく上回る国もあるが、デンマークは同ピーク程度に留まる。同ショック後のデンマークの住宅価格は経済の拡大に沿う形で推移。
  • 低金利を利用した住宅ローンの借換えや経済回復に伴う所得増等により、デンマーク家計の債務返済負担比率は改善傾向。家計の購買意欲を高め、経済成長を下支えする可能性も。

デンマークの住宅価格はリーマン・ショック前のピーク水準を僅かに超えた程度

グラフ1:主要国の住宅価格の推移

出所:米国ダラス連銀、ブルームバーグ、BIS(国際決済銀行)データをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  • 一部の国では住宅価格の高騰による悪影響が懸念される事態となり、政府が規制に乗り出しているところもあるようです。
  • 米国ダラス連銀のデータによると、2018年4~6月期時点で、例えばオーストラリアはリーマン・ショック前のピーク時の約1.6倍、北欧のスウェーデンは約1.4倍に上昇しています。一方、デンマークは約1.01倍と、同ショック前のピーク時とほぼ同程度の水準に留まっています。

リーマン・ショック後のデンマークの住宅価格は経済の拡大に沿って推移

グラフ2:デンマーク経済規模と住宅価格

出所:米国ダラス連銀、ブルームバーグ、BIS(国際決済銀行)データをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  • リーマン・ショック前のデンマークの住宅価格は、経済(名目GDP(国内総生産))の拡大規模をしのぐ勢いで急激な上昇を続けました。住宅バブルが発生したと見られる時期です。
  • 同ショックにより調整した住宅価格は、その後は経済の規模拡大に沿う形で上昇傾向を続けています。2005年4~6月期を100とする指数ベースでは、2018年1~3月期時点で経済規模と住宅価格はほぼ同水準となっています。

デンマーク家計の債務返済負担比率は低下

グラフ3:デンマーク家計の債務返済負担比率

出所:米国ダラス連銀、ブルームバーグ、BIS(国際決済銀行)データをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  • リーマン・ショック当時一時5%を超えていたデンマークの政策金利は、2018年6月時点で0.05%まで引き下げられています。
  • 同ショック前に急上昇したデンマーク家計の債務返済負担比率(デットサービスレシオ:元利金返済負担額/可処分所得)は、低金利を利用した住宅ローンの借換えや景気回復に伴う所得の増加等を背景に、同ショック後は低下傾向を続けています。返済負担の低下は家計の購買意欲を高め、経済成長に貢献するものと思われます。

金融市場動向一覧へ

「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。