金融市場NOW

実質GDP 2四半期ぶりにプラスへ

2019年02月19日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

個人消費の回復が内需をけん引

  • 内閣府が発表した2018年10~12月期の実質国内総生産は、前期比プラス0.3%となる。
  • 相次ぐ自然災害により落ち込んだ個人消費が回復したことにより、内需全体を押し上げる。
  • 景気に回復の兆しはあるも、米中貿易摩擦や中国経済の先行きについては注視が必要となるか。

グラフ1:GDPは2四半期ぶりにプラスへ

  • ※実質GDP増減率の寄与度の内訳(前期比、年率)
  • 出所:内閣府のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

表1:個人消費を中心に内需が回復

  • ※2018年10~12月期の実質GDP増減率(前期比)の内訳
  • *1 カッコ内は2018年7~9月期
  • *2 ▲はマイナスを表します。
  • *3 民間在庫はGDPの伸びに対する寄与度を記載
  • 出所:内閣府のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
GDP
【年率換算】
0.3%(▲0.7%)
【1.4%(▲2.6%)】
個人消費 0.6%(▲0.2%)
住宅投資 1.1%(0.5%)
設備投資 2.4%(▲2.7%)
民間在庫 ▲0.2%(0.1%)
政府消費 0.8%(0.2%)
公共投資 ▲1.2%(▲2.1%)
輸出 0.9%(▲1.4%)
輸入 2.7%(▲0.7%)

内閣府が2月14日に発表した2018年10~12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比プラス0.3%、年率換算ではプラス1.4%となりました(グラフ1、表1)。プラスとなるのは2四半期ぶりです。2018年夏に西日本豪雨や台風21号など、自然災害が相次いだことなどによる個人消費の落ち込みが回復し、内需全体の押し上げに大きく寄与したものとみられます。

内需の内訳を見ると、GDPのおよそ半分を占める個人消費が前期比でプラス0.6%となり、マイナス0.2%となった7~9月期から回復しました。特に、飲食や宿泊、航空などのレジャー関連の回復が目立っています。住宅投資は4~6月期以降に着工された新築住宅の進捗状況が反映され、プラス1.1%となり、2四半期連続でプラスを維持しました。設備投資は生産用機械の伸びが寄与したことにより、プラス2.4%と全体を押し上げました(表1)。

外需のうち輸出は、夏季の自然災害等からの反動増で自動車関連が回復するなどし、プラス0.9%と2四半期ぶりのプラスとなったものの(表1)、中国を中心とした世界経済の鈍化により、情報関連財の輸出が伸びず、全体としての増加は7~9月期の落ち込みをカバーするほどではなく、限定的となりました。

GDP全体としてはプラス成長に回復したものの、外需の寄与度は引き続きマイナスのままとなりました。景気に回復の兆しはあるものの、長引く米中貿易摩擦や、さらなる鈍化が懸念される中国経済、英国の欧州連合(EU)離脱交渉など、先行きの懸念材料については引き続き注視していく必要がありそうです。

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