金融市場NOW

法人企業統計 設備投資は引き続き堅調

2018年12月06日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

8四半期連続の増加 建設機械向け投資が旺盛

  • 7~9月期の法人企業統計によると、設備投資が前年同期比で4.5%増加。8四半期連続の増加となる。
  • 7~9月期は自然災害が相次ぐも、影響は限定的。建設機械向け投資など製造業が堅調推移。
  • 足元の堅調な企業業績を背景に、今後も企業の積極的な設備投資が期待される。

グラフ1:前四半期から伸び率は落ち込むも堅調

※全規模ベースの設備投資(前年同期比増減率)の推移
(全産業及び非製造業には金融業、保険業は含まれていない)
出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

12月3日に財務省が発表した2018年7~9月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融業、保険業を除く)の設備投資が前年同期比(以下同様)で4.5%増の11兆2,784億円となりました。増加は8四半期連続となったものの、前期の12.8%増からは大幅な鈍化となりました(グラフ1)。大型台風や北海道地震など自然災害が相次いだものの、影響は総じて限定的で、建設機械向け投資など製造業を中心に投資が堅調でした。

産業別では、製造業は建設機械向け投資や人手不足対応にともなう省力化投資、東京五輪関連の建設投資などがけん引したことから同5.1%増加となりました。非製造業はオフィスビルの再開発や通信設備投資などを中心に、同4.2%の増加となりました。

グラフ2:経常利益は7~9月期としては過去最高を更新

※経常利益の推移(各年7~9月期)
(全規模・全産業(金融業、保険業は含まれていない))
出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

経常利益は同2.2%増の18兆2,847億円と7-9月期としては過去最高となりました(グラフ2)。情報通信機械業の研究開発費の増加や金属製品業における原材料などのコスト増加を受け、製造業は同1.6%のマイナスの伸びとなりました。マイナスとなるのは2四半期ぶりです。一方、非製造業は、情報通信業で端末の販売価格が上昇したことから同4.6%の増加となりました。

内閣府は設備投資の結果を反映し、12月10日に2018年7-9月期の国内総生産(GDP)改定値を公表します。法人企業統計の結果を踏まえると、成長率のマイナス幅の拡大が予想されていますが、足元の堅調な企業業績を背景に、引き続き企業は設備投資を積極的に行っていくものとみられます。

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