金融市場NOW

日本の国際競争力改善

2018年10月23日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

健康寿命の長さやデジタル技術の普及率が高く評価される

  • 世界経済フォーラムが発表した2018年版『世界競争力報告』で、日本の総合順位は5位となった。
  • 起業を後押しする活発なビジネス環境などが評価され10年ぶりに米国が世界トップへ返り咲く。
  • WEFは、調査対象国の多くにおいて技術革新能力が低く、対策の必要性を指摘している。

ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は10月17日、世界140カ国・地域の競争力を順位付けした2018年版『世界競争力報告』を発表しました。当報告は、『インフラ』や『マクロ経済環境』、『労働市場の効率性』などの12種類の項目にある複数のサブ項目(今回は98種類の指標)の評価点によってスコアを算出し、140ヵ国・地域の順位を決定するものであり、2004年から調査・報告されています。世界的な貿易摩擦が懸念される中、今回の調査から市場の開放性をはじめ労働市場の多様性、起業文化等を重視するよう評価方法が大きく変更されました。日本の総合順位は、前年の9位から大きく順位を上げ5位となり(グラフ)、トップには、起業を後押しする活発なビジネス環境や、金融システム等が高い評価を得た米国が10年ぶりに返り咲きました(表)。

日本の評価を項目別にみると、健康寿命の長さなど健康分野が高く評価されたことから『健康』が世界でトップとなったほか、インターネットや携帯電話などの普及率の高さから『デジタル技術分野』が3位、『市場規模』が4位、道路や鉄道などの『インフラ』が5位となりました。一方、『制度』や労働市場の多様性等を見る『労働市場』は低評価となりました。

WEFは、調査の対象の140カ国・地域の多くの国・地域において技術革新能力が低いと指摘しており、今後は国・地域が対策をとる必要があると警告しています。

グラフ:日本は昨年から順位を上げ5位に

※日本の世界競争ランキングの推移 出所:世界経済フォーラムのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

表:米国が10年ぶりにトップとなる

※世界競争力ランキング(2018年) 出所:世界経済フォーラムのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
順位 国・地域 前年順位
1 米国 2
2 シンガポール 3
3 ドイツ 5
4 スイス 1
5 日本 9
6 オランダ 4
7 香港 6
8 英国 8
9 スウェーデン 7
10 デンマーク 12

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