金融市場NOW

GDP改定値上方修正 3.0%増

2018年09月13日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

民間企業の設備投資など、内需がけん引

  • 9月10日公表の2018年4~6月期の実質国内総生産(改定値)は速報値から大幅な上方修正となる。
  • 民間企業の設備投資の伸びがけん引。実質GDPは前期のマイナス成長からプラス成長に急回復。
  • 世界的な貿易摩擦や、昨今の災害多発に伴う悪影響を今後の懸念材料として警戒する声も。

内閣府が9月10日に発表した2018年4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値は、前期比で0.7%増、年率換算で3.0%増となり(グラフ1)、速報値(年率1.9%増)から大幅な上方修正となりました。年率の伸びとしては2016年1~3月期(3.4%増)以来、9四半期ぶりとなっています。なかでも民間企業の設備投資の伸びが速報値(前期比1.3%増)から大きく上振れしたことが、プラスに寄与しました(表1)。

寄与度をみてみると、設備投資を含む内需が3.5%の押し上げ寄与となっており、内需主導の成長が改めて示されました。一方、外需は0.5%の押し下げ寄与となりました(グラフ1)。

GDPのおよそ6割を占める個人消費は前期比0.7%増と速報値から変わらずとなったものの、1年ぶりの高い水準を維持しました。自動車業が全体をけん引し、飲食・サービス業も小幅に寄与しました。住宅投資は不動産仲介手数料の改定が寄与したことから、速報値からやや上方修正されました(表1)。

景気の先行きについては、米中問題に端を発した世界的な貿易摩擦による輸出の停滞や、西日本を中心とした豪雨被害、北海道の地震など、昨今の災害多発に伴う悪影響も懸念されることから、2018年7~9月期については成長が鈍化することが予想されており、今後については、警戒する声もあるようです。

グラフ1:2018年4~6月期は設備投資を含む内需がけん引

※実質GDP(前期比、年率)と寄与度の推移 出所:内閣府のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

表1:設備投資と個人消費がけん引

※2018年4~6月期の実質GDP増減率(前期比)の内訳 *1 カッコ内は2018年4~6月期の一次速報値 *2 ▲はマイナスを表します。 *3 民間在庫はGDPの伸びに対する寄与度を記載 出所:内閣府のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
GDP
(年率換算)
0.7%(0.5%)
3.0%(1.9%)
個人消費 0.7%(0.7%)
住宅投資 ▲2.4%(▲2.7%)
設備投資 3.1%(1.3%)
民間在庫 0.0%(0.0%)
政府消費 0.2%(0.2%)
公共投資 0.0%(▲0.1%)
輸出 0.2%(0.2%)
輸入 0.9%(1.0%)

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