金融市場NOW

家計の平均貯蓄額1,151万円

2017年11月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

有価証券の保有にはまだ抵抗も

  • 2017年の1世帯当たりの金融資産保有額の平均は1,151万円となり、2年ぶりに増加した。
  • この1年間で「現金・預貯金」からリスク資産に振り向けた世帯が13.7%と最大となった。
  • 金融商品のうち、有価証券の保有については後ろ向き。"貯蓄から投資へ"の定着には時間を要するか。

日銀や金融団体などで構成される金融広報中央委員会が11月10日に発表した2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上の世帯が保有する1世帯当たりの金融資産保有額の平均(金融資産を保有していない世帯を含む)は、前年の1,078万円から73万円増の1,151万円となり、2年ぶりに増加しました(グラフ1)。

金融商品別の構成比では、「預貯金(郵便貯金を含む)」は前年比1.2ポイント減の54.1%となった一方で、「有価証券(債券・株式・投資信託)」は同1.9ポイント増の18.0%、「生命保険」は同0.9ポイント減の16.7%となりました。昨今の株価上昇も投資への追い風となったようです。この1年間で「現金・預貯金」から長期運用型やリスク資産に振り向けた世帯が13.7%と、この質問項目の調査を始めた2013年以降で最高となり、また金融資産の保有目的としては"老後の生活資金"がトップとなり、"病気や不時の災害への備え"を5年連続で上回りました。

今後保有したいと考える金融商品は、「預貯金」が44.6%となり、前年と比べて2.6ポイント低下、一方、有価証券の保有を希望している世帯は22.0%と前年と比較して1.3ポイント上昇しています。有価証券の内訳は、株式が8.9%、株式投資信託が5.1%となっており、ともに前年と比較して1ポイント上昇しています。しかし、元本割れリスクがあるが収益性が期待できる商品の保有については、「保有しようとは全く思わない」が最も高くなっており(グラフ2)、政府が掲げる"貯蓄から投資へ"の定着にはまだ時間を要しそうです。

グラフ1:家計の保有金融資産は2年ぶりに増加

家計の保有金融資産は2年ぶりに増加
出所:「家計の金融行動に関する世論調査(2017年)」を基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:元本割れリスクがあるが収益性が期待できる商品の保有について

元本割れリスクがあるが収益性が期待できる商品の保有について
出所:「家計の金融行動に関する世論調査(2017年)」を基にニッセイアセットマネジメントが作成

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