金融市場NOW

外国人労働者 100万人超え

2017年02月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

政府は高度人材の受け入れ拡充に向け対策を検討中

  • 日本で働く外国人労働者数が初めて100万人を突破。留学生の受け入れや技術実習制度等が要因か。
  • 政府は高度人材の受け入れに積極的であるものの、単純労働者の流入が急増しているのが現状。
  • さらなる高度人材の受け入れ拡大に向け、安倍政権はさまざまな対策を検討していく方針。

日本で働く外国人労働者の人数が2016年に初めて100万人を超えました。『不足する労働者の一部を外国人が補う』という構図が鮮明になりつつあるようです。留学生や技術実習制度※1等により、事実上の単純労働力が流入しているため、早急に外国人労働者の受け入れ政策の再構築を図る必要がありそうです。

厚生労働省が1月27日に発表した2016年10月末時点の外国人雇用状況によると、外国人労働者数は108万3,769人で、前年同月末と比べて19%増加となりました。増加は4年連続で、伸び幅も過去最高となりました(グラフ1)。国別にみると、中国が34万4,658人で全体のおよそ3割を占め、ベトナムがそれに次ぐ15.9%、フィリピンの11.8%が続きました(グラフ2)。分類別では高度人材などの「専門的・技術的分野」が20万994人となり前年同月末と比べて20%増加し、技術実習や留学も2割を超す伸びでした。政府は高度人材に関しては受け入れに積極的ですが、いわゆる単純労働に従事する外国人の受け入れは認めていません。しかし、現実には技能実習制度や留学生を通じて事実上の単純労働者の流入が急増しているようです。

近年、技術実習制度や高度人材ポイント制※2等の効果もあり、日本で働く外国人は増加傾向にありますが、他国などと比較するとまだまだ出遅れているというのが現状です。安倍政権は前述の制度等を通じた受け入れ拡大策以外にも、受け入れが必要となる分野を特定して2国間で協定を結ぶ方法など、さまざまな対策を検討していくようです。

  • 国際貢献のため、海外から外国人を日本で一定期間(最長3年間)に限り受け入れ、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を通じて技能を移転する制度。
  • 高度人材外国人の受入れを促進するため,高度人材外国人に対しポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる制度。

グラフ1:外国人労働者は年々増加している

外国人労働者は年々増加している
※各年10月末時点の人数
出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)を基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:国籍別では中国などアジア圏が目立つ

国籍別では中国などアジア圏が目立つ
※国籍別外国人労働者数(2016年10月末時点)
出所:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)を基にニッセイアセットマネジメントが作成

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