金融市場NOW
J-REIT市場 現状と今後の見通し(1)
2012年05月31日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
- 東証REIT指数(配当込み)は、2008年10月を底に回復傾向にあると思われます。
- しかし、金融危機問題発生前の水準と比較すると、約半値の水準(グラフ1)にとどまっています。
- 最近のJ-REIT市場を取り巻く環境には様々な動きがでてきています。
グラフ1:東証REIT指数(配当込み)の推移と出来事

J-REIT市場の規模拡大(新規上場の再開)
2012年4月末時点でのJ-REIT市場の時価総額は約3.6兆円、上場銘柄数は34銘柄の規模です。新規上場は2007年10月以降途絶えていましたが、4月26日にケネディクス・レジデンシャルが上場され、約4年半ぶりの再開となりました。又、6月13日には東急不動産系のアクティビア・プロパティーズの上場が予定されています。
各種報道によりますと、シンガポール政府系のグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)や大和ハウス等(表1)の上場が計画されており、今後もJ-REITの新規上場が続く見込みです。 新規上場による資金調達により需給悪化を招くリスクもありますが、優良物件を組み入れたREITの上場が増加すれば、市場の活性化や市場規模の拡大につながることが期待されます。
表1:2012年に上場を予定している主なファンドの概要
(2012年5月30日時点)
設立母体 | ファンド規模 (予定) |
上場時期 (予定) |
主な運用対象等 |
---|---|---|---|
東急不動産 | 上場時 1,000億円程度 |
2012年 6月13日 |
都市型商業施設と東京のオフィスへ重点投資を行う方針 |
グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)<シンガポール政府系投資公社(GIC)> | 上場時 1000~1500億円 |
12年年央 目処 |
日本国内の物流センター等に投資を予定。 |
大和ハウス工業 | 上場時 1500億円前後 |
12年11月 目処 |
物流施設を中心に組み入れ。 |
金融市場動向
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