アナリストの眼
「正倉院御物」と「ブランド」
掲載日:2012年05月23日
- アナリスト
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投資調査室 中谷 幸司
5月の連休は雨天気味のところもあり、観光地の中からはため息が聞こえてきてきたところもありそうです。
天候に関係なく集客できるインドア系で今回、大きく人寄せできていると思われるのが上野にある東京国立博物館の「ボストン美術館 日本美術の至宝」。4/29には、20万人に到達したとのこと。
美術館入場者ランクでかなりの上位に行けそうです。
入場者数(1日平均)が「世界一」の美術館
この美術館入場者ランクはART NEWSPAPER誌が毎年恒例で4月に前年のランキングを発表しています。
2011年の結果では首位が888万人来場したパリのルーブル美術館、そして2位が600万人来場したニューヨークのメトロポリタン美術館、3位が585万人来場のロンドンの大英博物館だったようです。

この発表の中には面白い分析もあって一日当り入場者数ランキングというものがあり、ほぼ毎年、連続して常連首位になっているのが毎年秋の奈良国立博物館(右図)の「正倉院展」。17日間の会期中の一日当り入場者数平均14,300人は世界一で長年この首位ランクを維持しているようです。
これは凄いことです。
「正倉院展」が人を惹きつける理由
なぜかくも「正倉院展」は人を惹きつけるのでしょうか。
意外なことですがここにブランドとは何か、というヒントもありそうです。
いわゆる「正倉院御物」、「正倉院文様」がブランド化しているのではないでしょうか。
文化財であって決して商標登録されている商品ではありませんが、デザインの秀逸さ、美しさから今でも一種の憧憬とリスペクトを受けています。
歴史上の有名人物も「正倉院御物」と接触※しています。
「正倉院文様」は、「鳳凰」、「琵琶」などまさにデザイン・アートでもあります。
今では和様小物や着物などにデザインとして活かされている事例も多いようです。
- 例えば、足利義満・義政や織田信長が奈良東大寺正倉院に納められている香木「蘭奢待」を拝観し、一部を切り取って帰ったと記録に残っています。
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