金融市場NOW

企業によるメタバース関連投資が加速

2022年04月18日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2030年にはおよそ1.5兆ドルの経済効果が期待される

  • 世界最大級のテックイベントCESで、トレンドワードとして『メタバース』が紹介された。2022年は多くの企業がARやVR技術を披露。近年、多くの企業がメタバース関連事業への参入を表明。
  • メタバースの経済効果は大きく、多くの業務の強化や改善期待も。企業のメタバース投資は加速か。

メタバースが2022年のトレンドワードに

今年1月、世界最大級のテックイベントである『CES(Consumer Electronics Show)2022』が開催されました。CESは毎年1月に米国ラスベガスにおいて開催され、50年以上の歴史があるテクノロジー見本市です。毎年、マイクロソフトやグーグルなどのハイテク企業はじめ、大企業やスタートアップなど、世界中から毎年4,000社近くの企業が出展しており、今後1年間のテクノロジーのトレンドを見通すうえで、重要なイベントの1つとされています。オンラインと対面のハイブリッド型という新しい形での開催となった今年は、CESの主催者より、業界の新たなトレンドワードとして『メタバース(仮想空間)』が紹介されました。見本市では、韓国の現代自動車がメタバースで現実世界のロボットを操作する『メタモビリティ』の構想を発表するなど、多くの企業が最新のAR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術を披露しました。

  • メタ(meta:超越)とユニバース(universe:世界)を組合せた造語で、通信ネットワーク上に構築された仮想空間やそのサービスのことをさす。

新たなビジネスチャンスに向け投資が加速

グラフ1:将来を見据え、各社が特許の出願を強化

  • ※AR/VR特許の主要所有者(2019年時点)
  • 出所:Statistaのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

コロナ禍で不要不急の外出自粛や密の回避が求められ、人と人との新たな交流手段として、メタバースは認知度を高めました。また、2021年10月に、Facebookが社名をMeta(メタ)に変更し、仮想空間の開発強化を表明したことで、メタバースや関連事業はさらに注目を集めることとなりました。近年、マイクロソフトをはじめ、国内企業ではソニーやパナソニックなどの世界中の企業が相次いでメタバース関連事業への参入を表明しています。将来を見据え、ARやVR関連の知的財産(特許)への投資を強化しつつあるようです(グラフ1)。

メタバースによる経済効果は2030年には1.5兆ドルまで拡大すると見込まれています(グラフ2)。今後は、交流手段だけでなく教育や観光、医療や不動産など、さまざまな業務の強化・改善に活かされることが予想されます(グラフ3)。企業によるメタバース関連投資は加速していくものと思われます。

  • 当資料は個別銘柄を推奨するものではありません。

グラフ2:メタバースによる経済効果が期待される

  • ※AR/VRによるGDPの押し上げ効果の予想推移
  • *2020年以降は予想値
  • 出所:Statistaのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:メタバースの利用で業務の効率化が期待される

  • ※AR/VRにより強化・改善される仕事数の予想推移
  • *2020年以降は予想値
  • 出所:Statistaのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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