金融市場NOW

デジタルヘルスケア関連スタートアップが多数創出

2022年02月08日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2011年6月までのレポートはこちらから

金融市場ラインマーカー

膨大なヘルスケアデータを利用し研究開発やサービス開発が進む

  • イスラエルでは長年蓄積された医療データを利用することで、世界最速ペースで新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだ。
  • 医療データは研究開発に利用され、医療とテクノロジーが融合しデジタルヘルスケアが進展。

イスラエルのデジタル医療に注目が集まる

グラフ1:イスラエルはワクチンの接種が急速に進んだ

  • ※イスラエルおよび主要先進国のワクチン接種率の推移
  • 出所:Our World in Dataのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

2020年12月より各国で新型コロナウイルスワクチンの接種が開始され、2022年1月末時点の先進諸国の人口当たり接種率は70%を超えています。接種開始の当初、多くの国が接種に係る人材の確保や優先順位などの課題に直面するなか、イスラエルが医療データを活用することで、世界最速ペースで接種を進めたことから(グラフ1)、同国のデジタル化された医療体制が注目されました。

医療データーベースで優先接種対象者を抽出

グラフ2:国民は4つの健康維持機構のいずれかに加入

  • ※イスラエルのHMO加入者割合(2018年末時点)
  • 出所:ジェトロのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

日本ではコロナ禍前から、医療現場のデジタル化が課題となっていました。厚生労働省によれば、日本の電子カルテの普及率は46.7%(2017年時点)と低く、病院間での患者情報の共有が容易にできていません。一方、イスラエルの国民皆保険制度では、医療サービスは4つの健康維持機構(HMO:Health Maintenance Organization)を通じて国民に提供されています(グラフ2)。また、過去の通院、診断結果、処方履歴などの加入者の情報は、統一されたデータベースに生涯にわたり保存され、国内のどの病院からでも閲覧が可能となっています。JETROによれば、新型コロナウイルスワクチンの接種でも、この医療データーベースに基づき、高齢者や基礎疾患のある人などを速やかに抽出できたことが、国民の接種促進につながったとしています。

  • 傘下の医療機関で基本的な医療サービスを提供する非営利の 健康保険組織。

デジタルヘルス関連スタートアップが多数創出

グラフ3:スタートアップの2割がデジタルヘルス関連

  • ※イスラエルのスタートアップ企業(2021年末時点)
  • 出所:START-UP NATION CENTRALのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

1990年半ばより蓄積された膨大な診療データは、研究開発や製品・サービス開発に活用されています。また、企業や研究機関も利用できることから、イスラエルでは医療とテクノロジーが融合し、デジタルヘルスケアが進展しています。毎年数百社のスタートアップが起業するイスラエルでは、2021年末時点で存在する8,212社のスタートアップのうち、約2割がヘルステック(デジタルヘルスケア)関連が占めています(グラフ3)。イスラエル政府は、デジタルヘルスを経済成長のエンジンの1つとし、国の予算を重点的に投入していることから、今後も多数のデジタルヘルス関連企業の創出が期待されそうです。

金融市場動向一覧へ

「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。