金融市場NOW

世界の株式市場 欧米堅調・アジア低迷

2021年08月02日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場ラインマーカー

欧米株に比べた日本株やアジア株の低迷が当面続く可能性も

  • 世界の株式市場で、欧米株と日本株及びアジア株(除く日本)との二極化が進みつつある。
  • ワクチン接種の遅れ、感染力の強いデルタ株のまん延、中国政府の大手IT(情報技術)企業等への規制強化の動き等が要因か。
  • 景気後退懸念等を背景に、日本株やアジア株は当面上値の重い展開を続けるものと思われる。

(1)欧米株とアジア株の格差拡がる

グラフ1:主要国・地域の株価(注)

  • (注)米国:ダウ平均株価、欧州:STOXX600指数、アジア(除く日本):MSCI AC Asia(除く日本)指数、日本:日経平均株価
  • 出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

世界の株式市場で、欧米株と日本株及びアジア株(除く日本、以下同じ)とのパフォーマンス格差が広がりつつあります。欧米株が史上最高値圏で推移する一方、日本株は停滞、アジア株は低迷しています(7月28日時点)。3月初旬頃まで欧米株を上回って推移していた日本株やアジア株はその後上値が重くなり、7月に入るとアジア株は調整色を強めています(グラフ1)。

その背景には、新型コロナウイルスワクチン接種の遅れや感染力の強いデルタ株のまん延による景気後退観測、中国政府の大手IT企業等への規制強化の動き等があるものと思われます。中国政府は7月26日、寡占化が経済に及ぼす悪影響等を警戒し、独占禁止法の順守等に関して、大手ネット企業を対象に集中的に取り締まりを行うことを発表しました。

(2)マレーシア等のワクチン接種は遅れ気味

グラフ2:ワクチン接種完了者の割合

  • 出所:CEICのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

Our World in Dataによると、7月25日時点で2回目のワクチン接種を終えた人の人口に占める割合は、日本が26%、マレーシアが17%等と、欧米に比べて低水準となっています(グラフ2)。接種が遅れているアジアの国の中には、感染力の強いデルタ株が猛威を振るい、都市封鎖措置の強化や延長等に踏み切るところもあります。尚、IMF(国際通貨基金)は7月27日改定した世界経済見通しで、ワクチン接種の普及等を背景に、米国やユーロ圏の21年見通し(前年比)を前回(4月)予想から引き上げる一方、緊急事態宣言が相次ぐ日本や、ワクチン接種が遅れるアジア新興国等の見通しを下方修正しました(表1)。

表1:IMF世界経済見通し(2021年7月)

  • ※インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム
  • 出所:IMFデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  見通し(21年7月)(前年比、%) 前回(21年4月)との比較(%)
2021年 2022年 2021年 2022年
世界 6.0 4.9 0.0 0.5
先進国 5.6 4.4 0.5 0.8
日本 2.8 3.0 -0.5 0.5
米国 7.0 4.9 0.6 1.4
ユーロ圏 4.6 4.3 0.2 0.5
英国 7.0 4.8 1.7 -0.3
アジア新興国 7.5 6.4 -1.1 0.4
インド 9.5 8.5 -3.0 1.6
ASEAN5 4.3 6.3 -0.6 0.2

(3)日本株やアジア株は当面上値の重い展開に

ワクチン接種の普及等で感染拡大にピークアウトの兆しが出始め、経済活動の正常化期待が高まるまで、日本株やアジア株は上値の重い展開を続けるものと思われます。欧米株とのパフォーマンス格差が更に拡がることも考えられます。アジア株は中国株と香港株が時価総額(21年6月末時点)の約半分を占めています。9月のデータ統制の強化を目的とする「データ安全法」の施行を前に、中国政府が規制強化の動きを一段と強めることも予想され、その動向によっては調整色を強めることも想定されます。

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