金融市場NOW

バリュー株物色の流れ強まる

2020年06月11日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場ラインマーカー

バリュー株物色一巡後は再びグロース株物色の動きに

  • 6月に入り、グロース株に比較して回復の遅れていたバリュー株の上昇が顕著に。出遅れ株を拾う動きや、グロース株の上昇ピッチの速さに対する警戒感等が要因か。
  • グロース株には今後も高成長が期待される大手IT企業等が含まれる。バリュー株物色によってグロース株に対する警戒感等が後退すれば、再びグロース株物色動きになるものと思われる。

(1)回復傾向をたどる世界株式

グラフ1:MSCIワールドインデックス等の推移

  • 出所:ブルームバーグデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

主要先進国の株価動向を示すMSCIワールドインデックスが3月23日を底値に回復傾向をたどっています(グラフ1)。2月12日に史上最高値を付けた後、新型コロナウイルスの感染拡大等により3月23日にかけて34%下落した同インデックスは、6月8日時点では史上最高値まであと6%の水準まで回復しています。主要国政府の経済対策や、都市封鎖の段階的解除による経済活動再開の動き等を受け、世界経済や企業業績の先行きに対する悲観論が後退しつつあることが主な要因となっているようです。

(2)バリュー株物色の流れ強まる

足元では、IT(情報技術)株等が含まれるグロース株(成長株)に対して、鉄鋼株や金融株等が含まれるバリュー株(割安株)の回復が顕著になっています(グラフ1)。6月(8日まで)のバリュー株の上昇率は9.5%と、グロース株の同3.6%を上回り、3月23日以降では、グロース株とほぼ同程度の上昇率となっています。

背景には、出遅れ株を拾う動きの他、グロース株の上昇ピッチの速さに対する警戒感等があるものと思われます。2020年5月末時点のグロース株のバリュー株に対する倍率(グロース株÷バリュー株)は2020年3月末以降急拡大し、かつ1999~2000年頃のITバブル期を上回っています(グラフ2)。グロース株の5月末時点の予想PER(株価収益率)は29倍と、ITバブル期ほどではないものの、比較的高い水準まで上昇しています(グラフ3)。当面はバリュー株を選好する動きが続くことも考えられます。

グラフ2:グロース株/バリュー株(倍率)の推移

  • 出所:ブルームバーグデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:予想PERの推移

  • 出所:ブルームバーグデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

(3)バリュー株物色一巡後はグロース株物色に

グロース株には革新的な技術やビジネスで収益力を高め、今後も高成長が期待される大手IT企業等が含まれています。バリュー株物色に一巡感が強まり、バリュー株上昇でグロース株の相対的な割高感が後退したと判断される局面等となれば、再びグロース株に投資資金が戻ってくるものと思われます。

  • MSCIワールドインデックス、同指数構成銘柄を対象とするグロース株及びバリュー株の各指数は全てドルベース(配当除き)

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