金融市場NOW

米国株の“強気相場” 史上最長記録へ

2018年08月27日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

ITバブル抜き最長へ

  • 8月22日、米国株式市場において強気(ブル)相場の日数が3,453日となり史上最長記録を更新。
  • 堅調な米国の経済を背景にEPSは増加傾向が続く。トランプ減税等を支えに今度も増加が期待される。
  • 好調な業績やトランプ減税を支えに米国企業による自社株買いや配当増額などの株主還元が回復傾向にあり、これは株式市場の支援材料となる可能性も。

グラフ1:強気相場は継続している

※S&P500種指数の推移 出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

米国株式市場(S&P500種指数)において、強気(ブル)相場の日数が史上最長記録を更新しました。これまでの最長記録は3,452日(IT(情報技術)バブル期を含む1990年10月から2000年3月まで)でしたが、8月22日の時点でリーマンショック後の2009年3月9日から始まった上昇相場は3,453日目となりました。近年では好調な米国経済を背景に、世界中から米国株式市場に投資資金が流入しており、大手ハイテク企業の上昇などが相場をけん引しています(グラフ1)。

  • 株式市場などが継続的に上昇する強い相場環境のことを意味し、一般的に直近の高値から2割以上下落した場合、強気相場は断たれたとされます。

グラフ2:堅調な経済を背景にEPSも増加傾向

※2018年、2019年は予想値 ※S&P500種指数のEPSと実質GDP成長率の推移 出所:ブルームバーグ、IMFのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

S&P500種指数のEPS(1株あたり利益)は、米国経済と足並みを揃えるように増加してきました。同指数のEPSは、2008年9月のリーマンショックによる金融危機で落ち込んだものの、米連邦準備制度理事会(FRB)による3兆5,000億米ドルの資産買い入れなどの景気刺激策や金融緩和策等により底入れしました。トランプ米政権による大型の減税策などを背景に、2018年、2019年のEPSも前年比で増加が見込まれています(ブルームバーグ予想)(グラフ2)。

グラフ3:自社株買いと配当は回復傾向にある

※S&P500種指数の自社株買いと配当の推移 出所:S&Pのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

米企業の自社株買い増額や配当総額は、好調な業績やトランプ減税により金融危機後から回復傾向にあります(グラフ3)。米中貿易摩擦や、新興諸国の混乱等、懸念要素はあるものの、米国株式はこれらを支えに引き続き堅調に推移するものと思われます。

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