金融市場NOW

IMF世界経済見通し(2018年4月時点)

2018年04月19日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

リーマンショック以降初めての“世界同時成長”見通しを維持

国際通貨基金(IMF)は4月17日に公表した最新の世界経済見通しにおいて、2018年、2019年の世界の成長率見通しをともに3.9%とし、いずれも2018年1月の前回見通しを据え置きました。2018年は前回見通しと同様に新興国も含め主要国がそろってプラス成長となり、2008年のリーマンショック以降で初めての“世界同時成長”を維持する見込みです。先行きのリスクについては、通商問題を巡る米中の対立を挙げたうえ、世界の経済活動を低迷させる懸念材料になるとして警鐘を鳴らしています。

  • 米国は、2018年を前回の見通しから0.2ポイント高い2.9%に上方修正。今後数年間は大型減税と歳出拡大により景気がさらに上振れするとし、成長率を押し上げると見込んでいる。
  • ユーロ圏は、消費の持ち直しを受け、2018年を0.2ポイント上方修正。2019年については据え置いた。
  • 日本は外需と企業の投資に支えられ、2018年が1.2%、2019年が0.9%と予想し、いずれも前回見通しから据え置いた。
  • 新興国は中国やインドが順調であるほか、資源価格の上昇を反映しブラジルを上方修正。中国は前回見通しから据え置いたものの、債務の増加が中期的な見通しを曇らせていると指摘。

表1:IMF世界経済見通し(前年比)

2018年4月時点

単位:% *1 インドは年度ベース *2 インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム *3 オーストラリアは2017年10月時点との比較 出所:IMFのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  2017年(前年比) 見通し(前年比) 前回(2018年1月時点)との比較
2018年 2019年 2018年 2019年
世界 3.8 3.9 3.9 0.0 0.0
先進国 2.3 2.5 2.2 0.2 0.0
日本 1.7 1.2 0.9 0.0 0.0
米国 2.3 2.9 2.7 0.2 0.2
ユーロ圏 2.3 2.4 2.0 0.2 0.0
ドイツ 2.5 2.5 2.0 0.2 0.0
フランス 1.8 2.1 2.0 0.2 0.1
イタリア 1.5 1.5 1.1 0.1 0.0
スペイン 3.1 2.8 2.2 0.4 0.1
英国 1.8 1.6 1.5 0.1 0.0
カナダ 3.0 2.1 2.0 -0.2 0.0
新興国 4.8 4.9 5.1 0.0 0.1
中国 6.9 6.6 6.4 0.0 0.0
インド *1 6.7 7.4 7.8 0.0 0.0
ASEAN5 *2 5.3 5.3 5.4 0.0 0.1
ブラジル 1.0 2.3 2.5 0.4 0.4
ロシア 1.5 1.7 1.5 0.0 0.0
オーストラリア *3 2.3 3.0 3.1 0.1 -

グラフ1:主要先進国の経済見通し(前年比)

出所:IMFのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:主要新興国の経済見通し(前年比)

出所:IMFのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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