金融市場NOW

国内株式市場の当面の見通しについて(2)

2013年01月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

過去の消費税引き上げと為替・国内民需のGDP寄与度の推移

過去、日本の消費税引き上げ局面では円安傾向が見られました(グラフ2)。また国内民需のGDP寄与度についても実施前年に高まる傾向となっていました(グラフ3)。円安傾向については、日本の実質金利低下が背景にあること、またGDP寄与度については駆け込み需要によるものとのそれぞれ見方があるようです。2014年4月の消費税引き上げ(5%→8%)前後には、過去のような傾向になるのかが注目されます。

グラフ2:日本の消費税引き上げ局面と為替(ドル/円)の推移

出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成。

グラフ3:消費税増税前の国内民需の推移、GDP寄与度

出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成。

国内経済の今後の予想

グラフ4:国内自動車販売(前年比)

出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成。

日本経済の足もとのマイナス成長は、(1)外需の大幅減、(2)エコカー補助金の政策切れの影響が大きいと見ています。外需は2013年度に持ち直すものと予想しており、(2)の影響も来年度には一巡していると思われます(グラフ4)。下押し圧力が減衰する中、来年度は増税前の駆け込みによる「内需」の押し上げも期待され、内外需ともに回復基調を見込みます。

国内株式市場の今後の予想

1月11日に発表された昨年12月の「景気ウォッチャー調査」では、「現状判断」指数が45.8と11月の40.0から大幅に改善しました。指数の内訳をみると、「小売」「サービス」「飲食」「住宅」「企業」「雇用」と全分野が大幅回復、「小売」の内訳でも「百貨店」を除く全分野が回復となっており、回復の勢いは強いと思われます。景気ウォッチャー調査の動きは、景気や株価への先行性が高いため、今後の景気・株式市場の動向を予想する上で重要であると考えられます。

為替市場では、本邦経常収支黒字の縮小問題とともに、日銀による本格的な金融緩和への期待(日銀総裁人事を巡る思惑を含む)などから、ドル高/円安基調が続くと見ています。国内株式市場については、グローバルや国内の景気の持ち直しや日銀による追加金融緩和への期待、為替の円安推移などから、穏やかな上昇トレンドが続くと予想します。

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