アナリストの眼
自動車産業に緊急支援(2)
掲載日:2009年02月25日
- アナリスト
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投資調査室 川村 高司
今、金融危機の衝撃を和らげようと、各国の自動車産業が保護主義的な動きに出ていますが、これは回避すべきです。過度な保護主義は、歴史を辿ると大きな問題が生じました。過度な保護主義を食い止めるために各国首脳の話し合いが不可欠であることは言うまでもありません。あくまでもサポートは時限の緊急支援のスタンスであるべきです。
今回の危機が落ち着けば、自動車産業は引き続きリーディング産業であり続けるとみています。その理由は、第一に、新興国の自動車普及率の低さです。新興国では中間所得層の台頭があり、手頃な価格で魅力的な車の開発を進めればクルマの持続的安定成長は可能です。従って、潜在成長率はまだまだ高いとみています。第二に、日本の自動車産業をつくった人材・組織の潜在能力の高さです。省エネへの取り組み、ものづくりの姿勢、技術革新は日本が世界的に一歩リードしており、将来の需要は担保されているといえましょう。仮に今回の危機でこれらの取り組みが遅れると、国益に甚大な影響を及ぼすことにもなりかねません。それだけに後遺症が残らない資金調達面の支援が求められます。
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