ニッセイアセットマネジメント「げんせん投信」第2回 げんせんトークラウンジ 開催!

2019年4月17日(水)19:00~20:40 ニッセイアセットマネジメント本社19階 カンファレンスルーム

4月17日(水)、ニッセイアセットマネジメント本社にて、「げんせん投信」に関する「げんせんトークラウンジ」が開催されました。
「げんせんトークラウンジ」は、運用担当者をはじめとするげんせん部員が、お客さまと双方向のコミュニケーションにより、ファンドの紹介だけでなく想いを語り合う場。今回は第2回げんせんトークラウンジの開催内容をご紹介します。
今後、セミナー参加を検討される時に、ぜひ参考にしてください。

第一部 皆さんは何にワクワクしていますか? ~げんせん投信の概要~

チーフ・ポートフォリオ・マネジャー 伊藤琢チーフ・ポートフォリオ・マネジャー 伊藤琢

いつも話す内容を決めずに、参加者の顔ぶれを見ながら機動的にテーマを決めていくことを得意とする運用担当者の伊藤琢(チーフ・ポートフォリオ・マネジャー)が登場しました。この日も「皆さんの顔をみながら、内容を決めたいと思います」と話しはじめ、自身の大学時代やレオス・キャピタルワークス藤野氏との出会いなど、人柄がわかるエピソードを展開。その後、げんせん投信の運用状況と投資哲学について説明しました。

収益性の改善幅が大きい銘柄だけに投資

まずパフォーマンスについてご説明します。昨年9月からの半年間は、私のファンド運用者としての人生の中で最も厳しい期間となり、TOPIX(東証株価指数)に劣後する結果となりました。しかし、げんせん投信が買い付けている「ニッセイ国内株式GENSENマザーファンド」は、運用開始の2014年から4年連続でTOPIX(東証株価指数)を上回る超過収益を得ており、トータルでも年率14.0%のリターンを上げています(2014年10月3日~2019年3月末)。投資リターンの効率性という意味では、投資家の皆さまにご評価いただいているファンドのひとつです。

そのリターンを可能にしているのは、一貫した運用戦略です。げんせん投信のストラテジーは、究極的にはひとつ「収益性の改善の幅が大きい企業に投資し続ける」ということ。当ファンドでは、ニッセイアセット独自の業績予想に基づき収益性の改善幅を4分位に分けて、パフォーマンス評価を行っています。株式市場は非常に効率的であり、改善幅が大きい一分位に属する銘柄は、どの単年度で見ても常にパフォーマンスが良い。私は一番勝てるファンドを運用するために、将来にわたって収益性が改善し一分位に入り続ける銘柄に投資すると決め、そのストラテジーを貫いています。

キーワードは、ワクワク、イキイキ、ニコニコ

一分位に入り続ける銘柄を選ぶために、私は企業の「目に見えない資産」を分析しています。物的資産や金融資産などの「目に見える資産」に対し、「目に見えない資産」とは、組織資産、人的資産、顧客資産であり、その質を左右するのが「経営トップ」です。目に見える資産は効率的な株式市場では株価にほとんど織り込まれているので、付加価値を生みにくい。企業の付加価値を生む競争力の源泉は「目に見えない資産」であり、私たちはこれについて直接経営トップに会って取材をし、点数化しています。

突然ですが、皆さんは今一番何にワクワクしていますか?

ワクワクするというのはすごく大事なことで、生きる力の源になりますよね。企業も同じで、会社の真ん中に企業理念・文化・情熱などしっかりとしたハートがあり、“ワクワク”しているかが非常に重要です。それが「組織資産」です。次に、そのワクワクや情熱を社員やサプライヤーと分かち合い、従業員が“イキイキ”としているかが「人的資産」。製品やサービスを通じてワクワクをお客さまと分かち合い、お客さまが“ニコニコ”しているかが「顧客資産」です。この三つの資産の質を大きく左右するのが経営トップ。私は経営トップに直接会い、様々な質問を投げかける中から、企業の「目に見えない資産」の価値を推し量り、評価しています。収益性を上げる企業を効率的に発掘する一番の近道は、この3つの「目に見えない資産」と経営トップを分析することなのです。

第二部 げんせん部員が何でもお答えします! ~QA座談会~

チーフ・ポートフォリオ・マネジャー 伊藤琢

第二部は、QA方式による座談会。トークラウンジ開始時に配布された質問票を通じて、参加者から多くの質問が寄せられました。中にはパフォーマンスに関する厳しい質問も!様々な質問・意見に、げんせん部員が真っ向から向き合い、本音で答えました。

運用状況偏

昨年9月以降の半年間でげんせん投信のパフォーマンスが大幅に下がった理由は?

リセッション(景気後退)はないと総合的に判断していた中、年末から年始の株式市場の下落の影響を受けました。

ニッセイアセットの債券、為替など他のアセットクラスのファンドマネジャーとの議論を経て、リセッションはないと判断していました。一方で年末から年始にかけてリセッションの懸念が高まり、株式市場は一時的に下落しました。そのため、相場の下落とともにパフォーマンスが下がる結果となってしまいました。当ファンドは、私が自信を持って運用しているストラテジーなので、このように負けてしまったことは非常に悔しいです。ただ予測通り、現在リセッションにはなっていませんが、今後10年ではその時が来ることもあるでしょう。当ファンドは、「株式の実質組入れ比率調整のために、株価指数先物取引等を活用」することをスキームとして可能にしていますので、今後、本格的な相場の下落が予測される時には、TOPIX先物を売り建て、お客さまの資産を保全することを最優先とした対応を行います。

全般的に日本株アクティブファンドが苦戦しています。米国企業の好調に対して、日本企業で利益を上げていくのは難しい時代では?

日本の厳選銘柄に集中投資し、エンゲージメント(企業に対する助言)も行っています。

私は米国株も見ていたので、米国株の実力はよくわかります。確かに米国のエクセレントカンパニー(優良企業)に比べると、日本でその水準を満たす企業が少ないのは事実です。ただ当ファンドはその中でも相対優位の銘柄に集中投資しています。現在の49銘柄(2019年3月時点)は自信をもって厳選しています。また企業調査をする中で、米国企業に比べて足りない部分が感じられた場合は、経営トップに対して改善点を進言するエンゲージメントを行っています。

ファンドの特徴

「目に見えない資産」を分析する有効性は理解しましたが、どうやって点数化しているのですか?

約20名のアナリストで630社の評価項目を点数化し、毎月レビュー(再検討)しています。

「組織資産」「人的資産」「顧客資産」と「経営トップ」のそれぞれについて、細分化した評価項目を設け点数を付けています。ニッセイアセットの約20名のアナリストたちが自分の担当銘柄(30~40銘柄)について評価を行い、毎月レビューし必要に応じて評価替えを行っています。私は評価が付いている630社について常にウォッチし、アナリストへのヒアリングと、実際の企業訪問を行いながら「目に見えない資産」を評価しています。

  • 当記事の制作当初は、セクターを担当するアナリストのみの人数を記載していましたが、アナリストの総人数に訂正いたしました(2019/05/23)。

なぜ直販をやらないのですか?

私たちの想いを正確に伝えることにリソースを集中させるためです。

「げんせん投信」は、お客さまと積極的にコミュニケーションをとることにより正しい理解を得て、ファンドを育てていきたいという並々ならぬ情熱を持って設定したファンドです。そういった意味で直販はやりたいところですが、ネット証券の口座をご利用いただいたほうが、システムや手数料の安さを鑑みて、お客さまの利便性や満足度が高いと判断しました。その分、私たちは運用と情報開示にリソースを集中させ、よりお客さまの理解を得る努力をしていきたいと考えています。私たちがお客さまに正確な情報や想いをお伝えし、お客さまにしっかりご納得いただいた上で投資していただくプロセスが大切だからです。今はまだ小さなファンドですが、お客さまとともに育ち、日本一のファンドになるつもりでやっていますので、よろしくお願いします!

私は個人投資家として、社会的意義があるかという視点で投資していますが、社会的意義があっても従業員の方のお給料が低いなど課題のある企業があります。そういった企業についてファンドマネジャーとしてはどのように考えますか?

収益性が上がらなければ当ファンドの投資対象にはしません。

もちろんESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)といった視点から全銘柄について評価していますが、当ファンドは、「目に見えない資産」を分析し、収益性が上がっているかという視点で銘柄を厳選しているので、投資対象にはなりません。なぜなら安いお給料では従業員の方は、イキイキはできませんよね。その旨、企業調査で経営トップにエンゲージメントを行います。

「げんせんトークラウンジ」の冒頭では、「投資環境の見通し」「日本株トリビア(豆知識)」「ファンドマネジャーは会社の席で何している?」など、お客さまに「げんせん投信」をより身近に感じていただけるような特別プログラムをご用意しています。

今回は、げんせん部員のマーケット担当の西河由明(投資信託企画部投資情報室・室長)が登場し、「日本の未来は明るい?!」というテーマで投資環境という視点から見た日本の未来について、AIなどの事例を交えながらご説明させていただきました。

「げんせん投信トークラウンジ」はまだスタートしたばかり。セミナーの構成や内容も、参加者のみなさんと対話しながら、よりお客さま目線のプログラムに成長させていく予定です。そして少しでも多くの方にセミナーにご来訪いただき、私たちの『ワクワク感』を共有していただきたいと考えています。

伊藤からみなさまへ

私たちは「げんせん投信」を一流のブランドに育てていこうと思っています。

ブランドになるためには、ファンドパフォーマンスだけでなく、私たちの価値観や投資哲学、日々の振る舞いなどを含めて、お客さまから共感を得られなければなりません。そのため、私たちは当ファンドのセミナー「げんせんトークラウンジ」を開催し、直接皆さまとお会いして対話させて頂くことを大切にしています。

私たちは皆さまに「げんせんトークラウンジ」に何度もお越しいただくことを願っています。初めていらっしゃる方もおられるため、運用戦略などのご説明では一部重複することもあるかと思いますが、毎回、投資にまつわる様々な情報を発信していく予定です。「げんせん投信」が皆さまとともに成長し、やがてブランドとして認知されるよう努めて参ります。