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2023年06月30日
寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~
日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文『ギリシャに学ぶ投資機会発見』が掲載されました。
ギリシャに学ぶ投資機会発見

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋
金融経済分野で「ギリシャといえば」と問われたら反射的に「ギリシャ危機」と答える人が多いかもしれない。しかし今や「ギリシャ2.0」政策を掲げて財政再建と経済成長を両立し、コロナ対策で債務が膨張し、成長力に不安の残る欧州の中で優等生ともいえる再生を果たしている。
公的債務の国内総生産(GDP)比率はピークの206%から169%まで改善し、特筆すべきは欧州連合(EU)全般に債務が膨らんだ2019年対比でも債務削減が進み、その改善幅はEUの中でも最上位にある。国家のデジタル化の推進、労働市場改革、徴税制度の強化、ギリシャへの直接投資の促進、年金改革など過去4年で400本近い法案を議会で可決し、大規模な改革を推進してきた。こうした経済財政の改善を受け、危機時はデフォルト(債務不履行)が危ぶまれたギリシャの10年国債の利回りは3.6%と、イタリア国債の3.9%を下回る水準まで評価されている。ギリシャ国債への投資は大きな超過リターンを生み出している。
25日に投開票されたギリシャ議会の再選挙ではこうした政策を進めてきたミツォタキス前首相の続投が決まった。「奇跡は約束できないが、計画と献身、勤勉さによって国家への義務を果たす」と述べたミツォタキス政権。目標としてきた国債の格付けの投資適格級復活の達成も視野に入ってきている。
人間の記憶や注意力というものは危機には強く反応し、頻繁に報道される。回復過程に入り危機ではなくなってくると、ニュースとして取り上げられなくなる。だが、危機で売られた投資対象が絶好の投資機会となりうることは歴史が証明している。報道が薄くなった対象を自力でフォローし続けることは超過リターンを得る常道の一つである。
(2023/6/30 日本経済新聞 夕刊)
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