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2023年01月27日
寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~
日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文『2割の変革企業を呼び水に』が掲載されました。
2割の変革企業を呼び水に

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋
SDGs(持続可能な開発目標)と投資というテーマで話をする機会を頂くことがある。年金、機関投資家や事業法人の方々に加え、最近は大学生向けに話をする機会も増えてきた。先日、ある大学で講義をする前に講座の担当の教授が大学として学部学生の成長を促すために考えている取り組みについて聞いた。その取り組みは社会学者のエベレット・ロジャースが唱えたイノベーター理論に着想を得たものだという。
イノベーター理論はベンチャーの世界では誰でも知っているような有名な理論でアイデアや新しい商品が普及する過程の消費者のタイプを5つに類型化したものだ。新しいものを取り入れる順番に、革新者、初期採用者、前期追随者、後期追随者、遅滞者と分類し、最初の2者をひとまとまりにした割合で2・3・3・2の法則、真ん中の2つも集約して、2・6・2の法則と称されることもある。
学生の成長を促すために学生全員に働きかけても大きな動きは生まれない。まずは必死に取り組む最初の2割の塊が生じやすくなるようにインセンティブ付けを適切に行い、それに刺激されて前期追随の3割が頑張り出し、すると後期追随の3割も頑張らざるを得ないような環境になるようにもっていく。こうして8割方の学生が頑張って成長しようとするチームにしようという工夫と理解した。
おもしろいと思うと同時に、様々な応用もあり得るとも思った。日本企業の成長ポテンシャルを高め、海外からの投資マネーを呼び込むためにも、全上場企業ではなく、2割の変革企業に焦点を当てることで日本株全体を見直す契機にする戦略もあるだろう。必要なのはあまねく全体に向けた政策ではなく、革新・初期採用の2割になることを励行する政策なのかもしれない。
(2023/1/27 日本経済新聞 夕刊)
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