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2022年10月03日

寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~

日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文が掲載されました。

不動の日銀 非難されるべきか

ニッセイアセットマネジメント 社長 大関 洋

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋

シンガポール出張で現地の大手投資家と話す機会を得た。日銀の決定会合を控え、日銀の金融政策の見通しを聞かれた。

6月の政策決定会合を前に、市場の思惑から10年国債利回りが「0.25%程度」を上回る動きを見せて以来、米欧の中央銀行が利上げに動くなか、日銀はいつ動くのかが市場では議論が活発化している。日銀が動かないことを非難する論者も現れ、賛同する市場参加者もいるようだ。

動かない日銀は非難されるべきか。ゼロ金利政策導入以前にはよく目にしたテイラー・ルールを基に日米の状況を見てみたい。テイラー・ルールの概念は、インフレ率の目標からの乖離(かいり)とその国の潜在成長率と実際の成長率の国内総生産(GDP)ギャップという2つの要素を基に金融政策の方向性が決まるというものである。

米国で考えると2021年半ば以降に高インフレ・高成長となり、2つの要素のどちらを見ても金融引き締めを始めることに違和感はない。成長率が下がった足元でも雇用が底堅く、インフレが高止まりする中で物価を鎮静させるために成長率の下振れを許容し、引き締めを継続することをFRBは宣言している。

日本は堅調であっても高成長といえる状況には届かないまま現在に至ると同時に物価上昇率も欧米に比べ緩やかな上昇にとどまっている。金融政策に変更がないことに違和感はなく、日銀には動かない理由があるとも言える。

海外の投資家にはそう答えてきた。実際はこれほど単純ではないが、急速な円安・ドル高への対応が24年ぶりの為替介入だったことはひとつの示唆であろう。ただ今後円安などの影響が物価に波及してきた場合は日銀にも動く理由が生じる。金融政策が動くか否かはやはり物価の行方が鍵になると注視している。

(2022/9/30 日本経済新聞 夕刊)

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