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2022年05月26日

寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~

日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文が掲載されました。

持たざる国、日本のやるべきこと

ニッセイアセットマネジメント 社長 大関 洋

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋

長年続いた日本のゼロインフレの均衡が崩れてきている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて新たな東西の分断が決定的となり、資源エネルギー価格の高騰とあいまって、久方ぶりの物価上昇、ゼロインフレからの脱却は実現しそうな状況である。

そんな中、「安いニッポン」を巡る議論が活発化しているが、これは日本のモノやサービスが世界に比して安いというだけではない。賃金も労働生産性も企業収益率も成長率も上場企業の時価総額も低い中で、物価だけ世界からのコストプッシュ圧力によって上がってしまい、ゼロインフレの中では目立たなかった「安いニッポン」の負の側面が意識されているからこそであろう。

資源を持たざる国、日本は食糧・資源・エネルギーを手に入れるための外貨をいかに稼いでいくかが国家戦略の大きなテーマであり続けた。いまさら外貨獲得というとアナクロな気もするが、日本が持たざる国であるという現実は変わらない。明治以来、手を変え品を変え、つくり出してきた国際競争力のある世界で売れる製品、サービスを再びつくり上げる必要に迫られている。

グロスで見た輸出の国内総生産(GDP)比率はドイツや韓国で4割を超える一方、日本はその半分以下で2割にも満たない。日本企業の海外現地生産が増加したことが要因のひとつだ。企業としてはこれまでと変わらず収益を得ていても以前は日本に工場をつくり日本で雇用し日本で賃金を支払っていたものが、海外現地生産にシフトしたことで、輸出がドイツや韓国の半分以下になるまで日本国内の産業の空洞化が進んだことの負の側面もクローズアップされるだろう。メーク・ジャパン・グレート・アゲインと訴える政治家が出てきても不思議ではない状況なのである。

(2022/5/25 日本経済新聞 電子版)

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