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2022年03月17日

寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~

日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文が掲載されました。

グローバル化の「終わりの確定」

ニッセイアセットマネジメント 社長 大関 洋

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋

新型コロナウイルス感染拡大前に欧大手保険会社の役員室を訪ねた際にフリップチャートがあった。イーゼルのような脚にめくって使える縦長の模造紙が何枚もついている、あれである。彼はこれがオフィスにない役員は仕事をしているとは思えないと上司から言われて使い始めたという。

筆者はニューヨークのオフィスに戻って注文し執務室に置いた。何枚か課題を書き出し折に触れて見直したりしたが、結局2年間で使ったのは最初の数枚に終わった。

ただ、2018年10月4日に当時のペンス米副大統領の対中融和戦略の転換を宣言したハドソン研究所の演説を聞いて衝撃を受け、年月日とともに「終わりの始まり」と記したのは今でも覚えている。グローバリゼーションは終わりを告げていると感じた。

当時、中国は世界経済に生産地、消費地として深く組み込まれていたので米ソ冷戦期のような「封じ込め」政策は不可能で、米ソ冷戦とは異なる展開、緩やかな「封じ込め」政策になると考えていた人が大半であった。

そこにロシアのウクライナ侵攻である。中国のような経済活動を通じた陣取り合戦ではなく、武力による侵攻である。いま手元にフリップチャートがあれば「終わりの確定」と書くことになるだろう。

私は悲観論者ではないが、今後は好むと好まざるによらず我々は既に始まった、分断化される世界をどう生きていくかを考え、行動することを余儀なくされるだろう。

主要国の人口動態は中国も含め、少子高齢化で一般的にはデフレ圧力となるが、世界のサプライチェーン(供給網)が分断化された世界を前提とした再調整を終えるまではブロック化する経済のインフレ圧力の方がまさる時間帯が向こう数年にわたって続くことを投資家としては覚悟しておきたい。

(2022/3/17 日本経済新聞 夕刊)

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