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2022年01月18日
寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~
日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文が掲載されました。
長期投資が可能な国の条件

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋
7年ほど前、東京で開催されたインフラ投資をテーマにした国際会議に参加した。投資家は低金利の中で投資機会を探している。新興国はインフラを整備したいが十分な資金がない。運用ニーズと調達ニーズをいかに結びつけるかが大きな論点の一つだった。
新興国からの参加者が投資家からの長期投資を期待する中、北米の年金投資家に対してアジア太平洋で注目している国はどこかという質問が出た。その投資家は法制度、政府のガバナンス体制を考えると投資可能なのは日本、オーストラリア、韓国くらいだと答えた。新興国の参加者が鼻白んだのは言うまでもない。
投資家はリターンを得るためにリスクを取るが、リターンに結びつかないリスクは取りたくないと考えるのが普通である。インフラなどの長期投資となれば、プロジェクト自体の評価だけでなく、案件に関わる国や企業のリスクも勘案する。国家元首や政権が変わったとしても、国としての契約が履行されること、不測の事態ではその国の法制度のもとで公正に調整されることが期待できなければ、リスクの評価は難しくなり長期投資をためらう理由になる。
黎明(れいめい)期の明治政府が取り組んだ制度構築は諸外国から見て信頼できる、長期投資可能な国づくりになっていたとの見方もできる。約束は歯を食いしばってでも果たそうとした先人の姿勢が投資家の信頼を得て先進国入りにつながったと思う。
悩ましいのは信頼できる国は3カ国と年金投資家が言い切った当時と比べ、近年は長期投資の基礎的条件が揺らいでいるように見えることだ。
地球規模で取り組まなければならない課題が山積する中で長期投資のニーズは高まっている。長期投資の促進のためには掛け声だけでなく、長期投資への信頼を高め、補完する工夫も重要である。
(2022/1/18 日本経済新聞 夕刊)
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