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2021年09月28日

寄稿記事掲載のご案内~日本経済新聞「十字路」~

日本経済新聞「十字路」に当社代表取締役社長大関洋の寄稿文が掲載されました。

経済合理性 万能時代の終焉

ニッセイアセットマネジメント 社長 大関 洋

ニッセイアセットマネジメント
社長 大関 洋

資産運用では自らの判断軸を持ちながら時代の変化に適応する必要もある。投資の判断軸に従来のリスク・リターンに加えてサステナビリティー(持続可能性)という軸が加わってきたことは一例だが、改めて取り上げたいテーマは経済合理性万能の時代の終焉(しゅうえん)だ。

私が社会人になった1980年代は政治経済、貿易、外交、金融為替政策が複線的に絡み合い、市場に反映される時代であり資産運用を取り巻く環境は激動であった。冷戦が終結すると東西の垣根を越えたグローバル化が進展し、安い労働力の国境を越えた流動化が進み、バブル崩壊に伸び悩む日本を尻目に世界経済は大いに発展を遂げた。

グローバル化の時代には、投資家は経済的に損をする政策は選択されないと想定しておけばおおむね間違いはなかった。経済合理性がある種万能の判断軸として機能した時代だ。振り返ればここまで単純化された世界観は例外的なものなのだが、30年続けば皆それに慣れてしまうものだ。

トランプ政権以降、米中覇権争いが意識されるようになりアメリカ・ファースト政策を掲げ、他国を弱体化させることができるのであれば自国の経済的利益を犠牲にしてでも政策を実行する流れに変わっている。グローバル化時代しか知らない投資家にとって非合理的な想定外の政策が頻出する戸惑いもあるだろう。

経済合理性はもちろん主な判断軸としてあり続ける。時代はグローバル化からアンチグローバル化、経済合理性判断の時代から地政学的判断も重要な時代へシフトしている。中長期の投資では企業の成長見通しに対する地政学的な不確実性についても気候変動の影響と同じくらい意識した対応が重要であり、歴史的にもまれであった平和な経済合理性時代は終焉を向かえつつあるのである。

(2021/9/28 日本経済新聞 夕刊)

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