おしらせ

2022年12月22日

学会発表当社ファイナンシャルテクノロジー運用部吉田知紘が行動経済学会で学会発表を行いました

当社ファイナンシャルテクノロジー運用部吉田知紘が、このたび、広島修道大学岩永安浩教授らとの共同研究「日本株式市場におけるモメンタム効果の分解」について、行動経済学会第16回大会で学会発表を行いました。

モメンタム戦略は世界各国の株式市場で観測され、最も注目されているアノマリーの一つですが、日本の株式市場は世界でも稀にモメンタム戦略が有効ではないことが議論となっておりました※1。本発表では、先行研究の手法に従いモメンタム指標をHTPとPTHの2つの成分に分解※2することで、HTPでは統計的有意にプラスのファクターリターンを獲得できる可能性を示したほか、ファクターリターン獲得の背景にある要因として、行動ファイナンスの枠組みでは、メンタルアカウンティングとディスポジション効果で説明できる可能性を示しました。

今回の研究事例を発展させて、モメンタム戦略を有効活用してリターンを獲得する手法を開発するなど、運用実務への応用が期待されます。当社は、今後とも様々な投資手法の研究開発などを通じ、継続的に運用力の強化に取り組んでまいります。

参考文献

  • Chou, P., Wei, K. C. J., and Chung, H. (2007). Sources of contrarian profits in the Japanese stock market. Journal of Empirical Finance 14, pp.261‒186.
  • Büsing, P., Mohrschladt, H., and Siedhoff., S. (2021). Decomposing Momentum: The Forgotten Component. SSRN electronic journal No. 3887512.

行動経済学会 第16回大会 一般報告セッションを見る

吉田 知紘(よしだ ともひろ)/ニッセイアセットマネジメント ファイナンシャルテクノロジー運用部シニア・ポートフォリオ・マネジャー。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修士課程修了後、SMBC日興証券、MU投資顧問を経て、2020年ニッセイアセットマネジメントに入社。現在はクオンツファンドマネジャーとして債券を中心としたマルチアセット運用に従事しながら、2021年度から京都大学経営管理大学院非常勤講師を兼務。京都大学博士(経営科学)。

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