金融市場NOW

2020年米大統領選(8)
民主党 副大統領候補に中道派ハリス氏を指名

2020年08月18日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場ラインマーカー

ハリス氏指名で多様性を強調し、左派とも連携をさぐるバイデン氏

  • 民主党バイデン氏は、ハリス上院議員を副大統領候補として指名。ハリス氏の存在は、多様性重視の姿勢を有権者へアピールし、中道派で穏健な政策を主張する同氏の指名は手堅い戦略と思われる。
  • トランプ大統領の“敵失”により支持率で有利なバイデン氏だが、状況が一変する可能性も残る。

黒人、アジア系女性初の副大統領候補

民主党大統領候補であるバイデン氏は、11日、秋の大統領選を共に戦う副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を指名しました。黒人女性としては初、母親がインド人であることから、アジア系としても初の副大統領候補となります。バイデン氏はマイノリティー(少数派)を選ぶことで、有権者に多様性を重視した民主党の政治姿勢を示す狙いがあるようです。一方で、予備選で最後まで争ったサンダース氏と同じく左派的な政策を推進するウォーレン氏などの指名を期待する声もありました。その中で中道派ハリス氏が指名されたことから、今後は左派勢力との連携を深め、党の結束を図っていくことがより一層求められるとの見方があります。

バイデン・サンダース共同タスクフォース

2016年選挙では、左派サンダース支持者がクリントン候補の支持に回らず、党が分裂したことが敗因と見る向きが多く、バイデン氏は左派勢力との連携に力を入れているようです。共同タスクフォースを組織し、サンダース陣営と政策面で協議を進めています。その政策提言の中には、ヘルスケア政策では、健康保険などで政府が関与する部分を増やすこと、経済政策では、雇用や収入での人種間格差をなくすことなどが掲げられています。政策提言を公約などに盛り込んでいくことで、左派勢力を取り込む狙いがあるようです。

表1:バイデン氏公約の注目点

  • 出所:各種報道資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成
政策 内容
新型コロナウイルス対策
  • 全国民に無料検査を実施。検査体制構築へ10万人を雇用。
  • 経済的支援を含む、学校や企業活動の段階的な再開の実施。
  • 新型コロナウイルス対策本部の設置継続
バイ・アメリカン
  • 4年間で4,000億ドル分の米国製品の政府調達。
  • 米国テクノロジーの研究開発に向けて3,000億ドルの投資。
  • 米国企業を優遇する法改正を行うが、政府による検査を徹底。
税制
  • 法人税率を21%から28%へ引き上げ。
  • 個人所得税の最高税率(35%)を引上げ。
  • 富裕層の資産取引課税の見直し。

奇抜なことを敢えてしない選挙戦術か

直近の調査でバイデン氏は、依然として支持率で優勢となっています。一部の分析ではバイデン氏への支持というよりは、トランプ大統領の一連の新型コロナウイルス対応策への不満が、支持率に反映されていると見られています。バイデン氏はいわば“敵失”による優勢ともいえる状況において、一部の有権者を警戒させる左派ウォーレン氏などを指名せず、中道派で穏健的な政策のハリス氏を指名したと言われます。奇抜な戦術を避けることで有権者を安心させたことは評価できるとの声があります。

隠れトランプ支持者の存在

一部の調査によると、有権者の約6割が調査には表れない隠れトランプ支持者の存在を信じているといわれています。また、今後の討論会の場などを通じて、有権者の目が、トランプ政権への不満からバイデン氏の政策や言動へと移り、有権者の支持が得られなかった場合には、バイデン氏有利の状況が一変する可能性もあります。市場は2016年大統領選での番狂わせの再来を警戒し、選挙が近づくにつれ情報に一喜一憂する振れ幅の大きな展開となることが想定されます。

表2:大統領選までの日程(予定)

  • 出所:各種報道資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成
日程 イベント
8月17~20日 民主党大会(大統領候補の正式指名)
8月24~27日 共和党大会(大統領候補の正式指名)
9月29日 第1回討論会(オハイオ州:クリーブランド)
10月7日 副大統領候補討論会(ユタ州:ソルトレークシティ)
10月15日 第2回討論会(フロリダ州:マイアミ)
10月22日 第3回討論会(テネシー州:ナッシュビル)
11月3日 大統領選挙

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