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欧州議会選挙 事前予測とほぼ同じ結果に

2019年05月30日号

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欧州人民党は獲得議席数を減らすも、極右・ポピュリズム政党も票伸びず

  • 欧州議会選挙は欧州人民党が獲得議席数を減らすも第一党を維持。
  • 注目された各国の極右・ポピュリズム政党は、イタリアでは『同盟』が第一党を獲得も他国では事前予測どおりの結果となり、獲得議席数は伸びず。概ね現体制に変更はなし。

欧州人民党は議席を減らすも第一党維持

グラフ1:欧州議会選挙結果(一部暫定結果含む)

  • ※総議席数751 欧州時間5月28日18:11時点
  • 出所:欧州議会HPおよび各種報道資料等をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

5月23日~26日に欧州各国で行われていた欧州議会選挙は大勢が判明し、最大会派である欧州人民党(EPP)が第一党を維持し、中道左派会派である欧州社会・進歩連盟(S&D)が第二党を維持しました。両会派の大連立による過半数獲得で議会を運営してきましたが、今回選挙では過半数獲得に至りませんでした。過半数維持のため中道会派の欧州自由民主連盟(ALDE+R:欧州議会選挙初参加のマクロン大統領が率いるフランス『共和国前進』などが合流予定)や躍進した欧州緑グループ/欧州自由連盟(Greens/EFA)などとの協力が想定されます。

英国では強硬離脱派政党が最多議席獲得

英国では与党保守党が議席を減らし強硬離脱を訴えるブレグジット党が最多議席を獲得しました。一方で、EU(欧州連合)残留を訴える自由民主党は二番手につけ、残留を目指す他政党を合計すると強硬離脱とEU残留を支持する有権者が拮抗しています。離脱方針決定の混乱を反映するように離脱を巡る民意が割れていることを象徴する結果となりました。

表1:欧州議会の主要会派と議席変動

  • ※( )は改選前と比較した議席増減数
  • 出所:欧州議会HPおよび各種報道資料等をもとにニッセイアセットマネジメントが作成
会派名 議席数 概要
欧州人民党(EPP) 178
(-39)
最大会派で中道右派。ドイツCDU・CSU、フランス共和党、スペイン国民党などが所属。
欧州社会・進歩連盟(S&D) 153
(-33)
中道左派の第2会派。ドイツ社会民主党、イタリア民主党、イギリス労働党などが所属。
欧州保守改革(ECR) 63
(-13)
保守主義、欧州懐疑派、中道右派。イギリス保守党、ポーランド法と正義などが所属。
欧州自由民主連盟<+ルネッサンス連合他>(ALDE+R) 105
(+37)
中道主義会派、汎欧州主義派。ドイツ自由民主党などが所属。フランス与党「共和国前進」を中心とする連合(ルネッサンス連合)などが今後合流予定。
自由と直接民主主義の欧州(EFDD) 54
(+13)
反EU・反移民、極右やポピュリズム(大衆主義)政党など混在。イタリア五つ星運動などが所属。
国家と自由の欧州(ENF) 58
(+21)
反EU・反移民、極右。フランス国民連合、イタリア同盟(他の会派を新設の可能性あり)などが所属。

イタリア『同盟』は議席数を伸ばす

躍進が予想されていた反EU・反移民などの公約を掲げる会派は改選前から議席を増やしました。イタリアトップの約34%の票を獲得したサルビーニ副首相率いる与党『同盟』ですが、選挙戦で極右、ポピュリズム(大衆主義)政党の結束を唱えていました。新グループ結成相手として期待されるフランス『国民連合』やドイツ『ドイツのための選択肢』などが、議席減や事前予測議席に留まる結果となりました。一般的に投票率が低い場合には伝統的な政党(会派)が有利と言われますが、前回よりも投票率が上昇した今回選挙では、極右、ポピュリズム政党に有利との見方もあり、事前予測を上回る結果を予想する声もありました。票が伸びなかった背景には大衆政党としての幅広い支持を得るため、反移民や反EUなど強硬的な政治姿勢から穏健な姿勢へイメージチェンジを狙ったことがあるとの見方を示したメディアもありました。各極右政党などの協力体制は、財政規律(イタリアは緩和派、ドイツは緊縮派)に対するEUルールを巡って立場が違うため困難との見方もあります。与党勢力が議席を減らしたものの、波乱はなく概ね勢力図が維持できたことから、今後は欧州委員長、EU大統領(欧州理事会議長)などの要職選出を巡る各国の駆け引きが活発化していくことが想定されます。

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