金融市場NOW

2018年 訪日外国人消費 過去最高に

2019年01月22日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

訪日外国人の増加が消費を押し上げか

  • 訪日外国人による買い物などの旅行消費額が、7年連続で過去最高を更新した。
  • 訪日外国人1人あたりの消費額は、2015年から3年連続で減少。“爆買い”の収束が要因の1つか。
  • 訪日外国人の誘致・消費拡大のために、地方都市の魅力をアピールしていくことが方策の1つとなるか。

グラフ1:訪日外国人の消費は年々増加している

  • ※訪日外国人消費額の推移
  • 出所:日本政府観光局(JNTO)のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

2018年の訪日外国人による買い物などの旅行消費額が、7年連続で過去最高を更新しました。観光庁が1月16日に発表した訪日外国人消費動向調査(速報値)によれば、2018年累計の訪日外国人による旅行消費額は推計で4兆5,064億円となりました(グラフ1)。ビザの取得要件緩和や航空路線の新規就航、クルーズ船の寄港増加などを背景に、近年、東南アジア等を中心に訪日外国人は増加しており、これにともない日本国内での消費全体を押し上げたとみられています。しかし、政府が目標とする2020年までに8兆円という目標にはまだ遠く、達成に向け、一層のてこ入れが求められることとなりそうです。

グラフ2:訪日外国人1人あたりの消費額は3年連続減少

  • ※訪日外国人1人あたりの消費額の推移
  • 出所:日本政府観光局(JNTO)のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

国・地域別でみると、中国が1兆5,370億円で全体の34.1%を占めており、次いで韓国5,842億円(同13.0%)、台湾5,839億円(同13.0%)と続いています。訪日外国人1人あたりの消費額は15万2,594円となり、2015年をピークに3年連続で減少しています(グラフ2)。これまで“爆買い”とよばれ消費全体をけん引してきた中国人観光客の消費が前年比で-2.9%と落ち込んだことが要因の1つであると考えられます。

近年、訪日外国人の興味・関心が東京や大阪などの大都市のみならず、地方都市へと広がりつつあるようです。訪日外国人の誘致で、旅行客の消費による収入の増加が地域活性化に繋がったという例もみられています。今後のさらなる訪日外国人の誘致・消費拡大のためには、地方都市の魅力をアピールしていくことが方策の1つとなるかもしれません。

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