金融市場NOW

米国家計資産 100兆ドル突破

2018年06月26日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

強い個人消費 米家計は健全

  • 2018年1月~3月期の米家計資産報告によると、純資産残高は史上初の100兆ドル突破となった。
  • 株価の下落等により、金融資産に占める株式の割合は前期比で減少。
  • 貯蓄率は低水準をたどるも、強い個人消費を背景に健全なバランスシートの維持が予想される。

米連邦準備制度理事会(FRB)が6月7日に公表した、2018年1月~3月期の家計資産報告によると、不動産や預金、株式などを含めた資産から、住宅ローンやクレジットカードの利用残高などの負債を引いた家計(非営利団体含む、以下同じ)の純資産残高(季節調整前)は、前期比で約1兆300億ドル(1.0%)増の100兆7,683億ドルとなり、史上初の100兆ドル突破となりました。住宅価格の値上がり等が押し上げ要因となったようです。株価が年初に付けた過去最高値から下落したことなどから伸び率は前期(2.5%)より鈍化したものの、増加は10期連続となり、統計開始以来の過去最高を更新しています(グラフ1)。

資産のうち金融資産は前期比0.6%増の81兆7,452億ドルと、10期連続で増加となり過去最高を更新しました。金融資産に占める株式の割合は前期の36.6%から36.2%に低下、投資信託は前期と変わらずの10.6%、債券は前期の5.3%から5.9%に増加しています。

住宅価格の値上がりや需要の拡大等を背景に、不動産資産は28兆3,744億ドルとなり、前期から1.8%増加となりました 。

純資産残高の可処分所得に対する割合は過去最高水準近くまで伸びている一方、可処分所得に対する家計債務の割合は引き続き低下傾向にあります(グラフ2)。昨今の強い経済成長等を背景に、引き続き家計のバランスシートは健全な状態を維持していくことが予想されます。

グラフ1:米家計の純資産残高は過去最高を更新

※米家計の純資産の残高推移 出所:米連邦準備制度理事会(FRB)のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:可処分所得に対する家計債務の割合は低下傾向にある

※可処分所得に対する家計債務の割合の推移 出所:米連邦準備制度理事会(FRB)のデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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