金融市場NOW

特許の出願件数で中国が2位に

2018年04月04日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

世界知的所有権機関(WIPO)は3年以内に米国を抜くと予想

  • WIPOによると、2017年の特許の国際出願件数で、中国が日本を抜いて初めて2位となった。
  • 中国の特許出願件数は2003年から毎年10%以上の伸びを記録している。中国政府は2025年までに国内製造業を高付加価値型にモデル転換する「中国製造2025」を推し進めており、WIPOは今後3年以内に中国が米国を抜き世界一になると予想。

世界知的所有権機関(WIPO)が3月21日に発表した2017年の特許の国際出願件数によると、日本を抜いて中国が初めて2位となりました。2017年の中国の出願件数は前年比13%増の約4万8,900件と、日本の約4万8,200件を上回りました。日本も同7%増加しましたが、2003年から維持していた2位の座から3位に後退しました。

企業別では中国の華為技術(ファーウェイ)が4,024件で1位(2016年は2位)、中興通訊(ZTEコーポレーション)が2,965件で2位(2016年は1位)と、前年に続き中国の2社が1、2位を占めました。中国の企業は当2社を含め上位10社の中に3社がランクインしました。日本の企業では三菱電機(2,521件、4位)とソニー(1,735件、9位)の2社が10位以内に入りました。他は、米国2社、韓国2社、スウェーデン1社となっています。テクノロジー分野での特許出願件数は、1位がコンピューター技術で前年比9%増の19,122件、2位がデジタル通信技術で同8%増の18,400件、3位が電気機械・器具、エネルギー関連で7%増の15,223件となっています。

2017年の世界全体の出願件数は、前年比4%増の約24万3,000件で過去最高を更新しました。内、中国、日本、韓国の合計件数が全体の46%を占めており、10年前の25%から約20ポイント拡大しています。一方、米国は10年前の34%から2017年は23%に低下しています。

中国政府は「中国製造2025」を推し進めています。これは、人工知能(AI)やビックデータ解析等の先端技術を発展させ、2025年までに国内製造業を高付加価値型にモデル転換する習政権の一大事業です。一方、米トランプ政権は予算編成などの場面で環境やエネルギー関連の研究開発費の大幅削減を提案する等、同政権の政策の中には技術革新を阻害する可能性がある内容も含まれているようです。中国の特許出願件数は2001年に前年比121%増加した反動から2002年はマイナスとなりましたが、2003年以降は毎年10%以上の伸びを続けています。これらの状況等を背景に、WIPOは3年以内に中国が米国を抜くものと予想しています。

グラフ1:日・米・中の特許出願件数

出所:WIPOのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:特許出願件数の国別比率(2017年)

出所:WIPOのデータをもとにニッセイアセットマネジメントが作成
  • 当レポートは個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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