金融市場NOW

協同での問題解決力高まる 2015年国際学力調査

2017年12月26日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

課題探究能力を育む学習に取り組んだ教育現場の成果か

  • 2015年PISAの「協同問題解決能力調査」において日本はOECD加盟国中1位となった。
  • 周囲への気配りから誤答する傾向も見られ、日本人の国民性が反映されたと文部科学省は分析。
  • また、課題解決や協力的な活動を重視してきた教育現場の取り組みの成果であると評価している。

世界52カ国・地域の15歳計12.5万人を対象に実施された2015年の学習到達度調査(PISA)の 結果が11月21日に経済協力開発機構(OECD)より公表されました。他者と協同で課題を解決する力を測る「協同問題解決能力調査」の結果では、日本の平均得点は52ヵ国・地域中2位、OECD加盟国の32ヵ国中では1位となり(表1)、男子よりも女子のほうが平均点が高いという結果になりました。協調性の高さがうかがわれる一方で、周囲に気を配り過ぎて誤答する傾向も見られ、文部科学省は「和を重視する国民性が反映された」ものと分析しています。

PISAは2000年から15歳を対象に3年毎に行われており、科学的リテラシー、数学的リテラシー、読解力の3分野で「義務教育で得た知識をどのようにより広く応用できるか」どうかを共通テストにより測定しており(グラフ1)、2015年調査は国内の198校の高校生らおよそ6,600人が受験しました。2003年、2012年にも問題解決能力を行いましたが、協同での能力を調べたのは今回が初めてでした。

1位はシンガポールの561点、2位が日本で552点、3位は香港で541点、4位は韓国538点、5位はカナダ535点となりました。文部科学省は「これまでの学習指導要領を踏まえた課題探求型の学習に重きを置いた教育現場の取り組みや、協力的な活動を重視して取り組んできた成果」であると評価しています。

  • 情報・知識などの活用能力

表:日本はOECD加盟国中では1位となった

※協同問題解決能力調査の平均点上位10ヵ国・地域(★はOECD非加盟国) *平均得点は小数点第1位を四捨五入して表記しています。 出所:OECDの資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成
順位 国・地域 平均得点
1 シンガポール★ 561
2 日本 552
3 香港★ 541
4 韓国 538
5 カナダ 535
6 エストニア 535
7 フィンランド 534
8 マカオ★ 534
9 ニュージーランド 533
10 オーストラリア 531

グラフ:2015年は読解力の順位が大幅に低下した

2015年は読解力の順位が大幅に低下した
※PISA(3分野)における日本の順位の推移、逆目盛 *2003年は科学的リテラシーの調査はなし 出所:国立教育政策研究所の資料をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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