金融市場NOW

法人企業統計 設備投資堅調 非製造業が支えに

2017年12月06日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

訪日外国人客向けの宿泊施設等への投資が堅調

  • 2017年7~9月の法人企業統計によると、全産業の設備投資は前年同期比で4.2%増となった。
  • サービス業などが引き続き堅調であった非製造業が全体をけん引した。
  • 予想を上回る設備投資の結果を受け、7-9月のGDP(2次速報)は上方修正されるという見方も。

12月1日に財務省が発表した2017年7~9月の法人企業統計によると、全産業(金融業、保険業を除く、資本金1,000万円以上)の設備投資は前年同期比(以下同様)で4.2%増となり、10兆7,920億円となりました。前年を上回るのは4四半期連続です。4~6月期に続き宿泊などのサービス業や建設業を含む非製造業の投資が増加し、全体をけん引しました。また製造業でも生産能力を引き上げる動きが活発となったことから増加となりました。

設備投資は非製造業で5.9%、製造業は1.4%とそれぞれ増加となりました。非製造業は、訪日外国人客向けの宿泊設備や娯楽施設への投資が増加したサービス業などが引き続き堅調だったことが寄与しました。製造業は、4~6月期の7.6%減から2四半期ぶりにプラスとなりました。スマートフォン関連などで生産能力を引き上げるための投資が増えたことが、増加の要因となりました(グラフ1)。

全産業(同上)の経常利益は5.5%増の17兆8,928億円となり、5四半期連続で増加しました。自動車などの輸送用機械が全体を押し上げたことから製造業が44%増と大きく伸びました。一方非製造業は、受取利息が大幅に増加した前年の反動等から9.5%減と5四半期ぶりのマイナスとなりました(グラフ2)。

今回の法人企業統計で、設備投資が予想以上に強い結果となったことから、これを受け7-9月期の国内総生産(GDP)の2次速報で、設備投資が若干上方修正されるとの見方がエコノミストの間で強まっているようです。

グラフ1:設備投資は4四半期連続のプラスとなった

設備投資は4四半期連続のプラスとなった
※全規模ベースの設備投資(前年同期比増減率)の推移 出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:経常利益(全産業)は製造業がけん引

経常利益(全産業)は製造業がけん引
※全規模ベースの経常利益(前年同期比増減率)の推移 出所:財務省「法人企業統計」をもとにニッセイアセットマネジメントが作成

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