金融市場NOW

“人生100年時代”に向けた人材力強化へ

2017年11月24日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

生涯学習の充実や再就職の円滑化等に向け政府が始動

  • 2017年9月に「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」が発足。
  • 長寿化のペースが今後も継続していくことを前提とした場合、長生きを視野に入れた人生計画を考えることが求められる。

安倍政権の看板政策であり、人材投資の強化を柱とする「人づくり革命」の具体策を検討していく「人生100年時代構想会議」が、2017年9月に新たに立ち上がりました(グラフ1)。今後、高等教育や幼児教育・保育の無償化、大学改革、高齢者の継続雇用のあり方などについて議論を進め、年内に中間報告、来年夏前には最終報告を取りまとめる見込みです。

厚生労働省によれば、医療の発展にともない健康な人が増加したことから、2016年の日本人の平均寿命は女性が87歳、男性が80歳となっています。また100歳以上の人口も、右肩上がりで増加しており、統計が開始された1963年の153人から、2017年には約6万8,000人にまで増加しています。

長寿化のペースが今後も継続していくことを前提とした場合、自分の寿命が100歳を超える可能性を視野に入れて人生の計画を立てていく必要がありそうです。「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」の著者であるリンダ・グラットン氏は、今後必要性が増すものとして、"教育"、"多様な働き方"、"無形資産"の3つを挙げ、これまでの「教育を受ける→仕事をする→引退して余生を過ごす」という従来の3つの人生ステージのモデルは大きく変質するとしています(グラフ2)。日本政府も、「リカレント教育(生涯学習)の充実」、「(特に大企業から中小企業などへの)転職・再就職の円滑化」、それらのベースとなる「必要とされる人材像の明確化や確保・活用」、「産業界として果たすべき役割」を1つのパッケージとして検討を進めています。

グラフ1:「人生100年時代構想会議」発足までの経緯

「人生100年時代構想会議」発足までの経緯
出所:経済産業省・産業人材政策室の資料を基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:個人の状況に応じ3ステージを行き来

個人の状況に応じ3ステージを行き来
「LIFE SHIFT」で描かれたれた新たな人生モデル 出所:経済産業省・産業人材政策室の資料を基にニッセイアセットマネジメントが作成

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