金融市場NOW

人材育成力ランキング

2017年09月26日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

日本 前年の4位から17位に急落

  • 世界経済フォーラムにおいて2017年の「人的資本指数」が発表された。
  • 日本は前年の4位から急落。指数算出方法の変更も不利に働いた。
  • 首位はノルウェー。米国、ニュージーランドを除き、上位10ヵ国中8ヵ国を欧州が占める。

世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)は2017年9月13日、世界130ヵ国を対象にそれぞれの国の「健全で教養のある人材を育成する能力」を評価し、ランキングした2017年の「人的資本指数(Human Capital Index)」を発表しました。日本は17位となり、前年の4位から大きく順位を落としました(表1)。相対的に教育水準が高いと評価される一方で、近年の課題とされている、「女性の社会進出」や「高齢者の活用」などに改善の余地があると判断されたようです。また、今年から同指数の算出方法が変更され、算出において「雇用の男女格差」の比率が上昇したことも、大きく順位を下げた要因とみられているようです。近年、日本の女性の社会進出が進んできてはいるものの、欧州などの主要国と比較するとまだまだ遅れを取っているのが現状であり、この実態が日本の雇用についての評価に不利に働いたとみられています(グラフ1)。

「雇用の男女格差」について、分けられた5つの年齢枠で見た場合、日本は15~24歳枠に限れば1位となり、世界でもっとも平等とされています。しかし25~54歳枠では69位、それ以上の年齢枠でも50位以下にとどまっています。算出方法の変更は、各国の人口構成の違いも大きく影響するようになったことから、他国と比較して高齢化が進行する日本は大幅に順位を落とすことになりました。

今年の世界ランキングの首位がノルウェーとなり、2位にフィンランド、3位にスイスが続きました。前年同様に、欧州勢が上位を占めています。

表1:上位10ヵ国中、8ヵ国が欧州諸国

※人的資本指数ランキング(2017年) 出所:世界経済フォーラムのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
順位 国・地域 前年順位
1 ノルウェー 2
2 フィンランド 1
3 スイス 3
4 米国 24
5 デンマーク 7
6 ドイツ 11
7 ニュージーランド 6
8 スウェーデン 5
9 スロベニア 16
10 オーストリア 12
17 日本 4

グラフ1:日本の女性の社会進出は遅れ気味

日本の女性の社会進出は遅れ気味
※主なOECD諸国の女性(15~64歳)の就業率(2015年) 就業率:15~64歳就業者数/15~64歳人口×100 出所:OECD「Employment Outlook 2016」を基にニッセイアセットマネジメントが作成

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