金融市場NOW

家計金融資産が最高

2017年07月24日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2004年度以降で過去最高

  • 2016年度末の家計の金融資産残高は、前年度末比2.7%増の1,809兆円となり過去最高となった。
  • 日本は家計金融資産の過半が現金・預金であるのに対し、米国は株式・出資金や投資信託が過半。
  • 欧米諸国に比べて資産運用のメリットについて十分に理解されていない事も要因の1つか。

日本銀行が6月27日に発表した資金循環統計(速報)によると、2016年度末の家計の金融資産残高は1年前に比べ2.7%増の1,809兆円となり、年度末としては比較可能な2004年度以降で最高となりました(グラフ1)。株価の上昇により、時価評価した株式や投資信託が増加しました。

家計の金融資産残高の内訳をみると、「現金・預金」は同2.3%増の932兆円で伸び率は過去最大、「保険・年金・定型保証」は同1.0%増の522兆円、「株式等」は同7.9%増の181兆円、「投資信託」は同7.2%増の99兆円となりました(グラフ3)。「現金・預金」のなかで普通預金にあたる流動性預金の伸びは7.2%と突出しており、残高が前年比で増加するのは41四半期連続です。なお、米国の家計金融資産も年ベースで増加基調を続けています(グラフ2)。

日米の家計金融資産の構成比を比較してみると、従来どおり日本は過半を現金・預金が占めている一方で、米国は「株式・出資金」や「投資信託」、「債券」を大量に保有しています(グラフ4)。超低金利にも関わらず、金融資産の半分が現金・預金で運用されているというのは、日本は欧米諸国に比べて資産運用のメリットについて十分に理解されていない事が大きいのかもしれません。近年、政府は、構造改革の一環で「貯蓄から投資へ」の促進を目的とした金融教育に力を入れているようです。

グラフ1:日本の家計金融資産の推移

日本の家計金融資産の推移
出所:日本銀行のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:米国の家計金融資産の推移

米国の家計金融資産の推移
出所:FRBのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:日本の家計金融資産の構成(2016年度末)

日本の家計金融資産の構成(2016年度末)
出所:日本銀行のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ4:米国の家計金融資産の構成(2016年末)

米国の家計金融資産の構成(2016年末)
出所:FRBのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

金融市場動向一覧へ

「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点

当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。

【当資料に関する留意点】

  • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
  • 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
  • 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。