金融市場NOW

法人企業統計 経常利益が過去最高水準に

2017年03月24日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

設備投資も製造業を中心に持ち直し

  • 2016年10~12月期の法人企業統計によると、経常利益は2四半期連続の増加となった。
  • 設備投資は、円高一巡や世界的な製造業サイクルの改善等を受けて、年末にかけて急回復。
  • 経常利益の改善は2四半期連続ではあるものの、持続性については今後も注意が必要か。

財務省が3月1日に発表した2016年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(資本金1千万円以上、金融業・保険業を除く)の経常利益は前年比16.9%と2四半期連続の増加となり、7~9月期(同11.5%)から2桁増益が継続しました(グラフ1)。前期に14四半期ぶりにマイナスとなった設備投資(ソフトウェアを含む)は、同3.8%と反転となりました。

経常利益の内訳は、製造業が同25.4%と6四半期ぶりのプラス、非製造業は同12.5%と前期から減速となったものの2桁増益を維持しています。製造業については、世界的な景気回復、円安等の要因が重なり、素材産業、加工産業ともに大きく収益が改善しました。非製造業は、情報通信、運輸・郵便、電気業で前年比マイナスとなるなど、業種間にばらつきがあるようです。

設備投資(ソフトウェアを含む)の内訳は、製造業が同7.4%と2四半期ぶりに増加、非製造業は同1.9%と3四半期ぶりに前年を上回りました(グラフ2)。円高や新興国経済の減速により、2016年前半の企業収益は大きく悪化したものの、円高一巡や世界的な製造業サイクルの改善を受けて、年末にかけて急回復を見せました。

全産業の経常利益の改善は2四半期連続です。7~9月期はサービス業で持ち株会社の受取配当金が増え、10~12月期は主に資源価格上昇が寄与しました。今後の持続性について、財務省は「注意深く見る必要がある」とコメントしており、楽観視していないようです。

グラフ1:経常利益(前年比)は2四半期連続の増加

経常利益(前年比)は2四半期連続の増加
出所:財務省「法人企業統計」を基にニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ2:設備投資は製造業・非製造業ともにプラスへ

設備投資は製造業・非製造業ともにプラスへ
出所:財務省「法人企業統計」を基にニッセイアセットマネジメントが作成

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