金融市場NOW

米国証券投資統計(2016年12月)の概要

2017年03月07日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

米国投資家は海外株式投資を積極化

  • 対米証券投資統計によると、2016年12月は海外投資家が米国株式・債券ともに売り越し。
  • 米国投資家は海外株式投資を積極化。買越額は2015年4月以来の高水準。

米財務省が2月15日に発表した昨年12月の対米証券投資(TIC)統計の概要は以下の通りです。

海外投資家の米国株式・債券投資状況(海外→米国)

  • 米国株式・債券(債券は財務省証券及び機関債・社債の合計)ともに売り越し。合計の売り越し額は139億ドルで、前月の170億ドルの買い越しからは309億ドルの減少。米国株式の売り越しは2ヵ月連続で金額は100億ドルと9か月ぶりの高水準。債券については財務省証券(国債)を9ヵ月連続売り越す一方、国債に比べて利回りが高い機関債・社債は2014年7月以降30ヵ月連続買い越し。

米国投資家の海外株式・債券投資状況(米国→海外)

  • 株式・債券合計で11億ドルの売り越し。売り越しは6ヵ月連続。金額は前月(175億ドル売り越し)の10分の1以下に。株式投資を積極化しており、買越額は182億ドルと2015年4月(207億ドル)以来の規模。一方、債券は192億ドルの売り越しで、売り越しは13ヵ月連続。
  • 日本への投資は株式・債券とも売り越しで、合計金額は25億ドルと前月とほぼ同水準。株式への投資は前月の1億ドルの買い越しから8億ドルの売り越しに転じる。
  • 新興国への投資は株式・債券合計で前月の5億ドルの売り越しから14億ドルの買い越しに転じる。株式の買越額は5億ドルで11ヵ月連続買い越し。債券は前月の9億ドルの売り越しから9億ドルの買い越しに転じる。

上記合計〔(海外→米国)と(米国→海外)の合計〕

  • 海外投資家の米国株式・債券の売り越し額139億ドル(ドル売り)と米国投資家の海外株式・債券の売り越し額11億ドル(ドル回収:ドル買い)を合計すると、昨年12月は129億ドルのドル売り越し。尚、前月は344億ドルのドル買い越し(表のネット欄)。

表:米財務省国際証券投資(TIC)統計

(億ドル)

注:表のマイナス符号は売り越し、符号無しは買い越し(ネット欄は各々ドル売り越し、ドル買い越し)を示す
※新興国:ブラジル、ロシア、インド、中国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、トルコ、メキシコ、南アフリカ合計
出所:米財務省のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
  海外→米国 米国→海外 ネット
合計(1) 合計(2)
  株式 財務省証券 機関債・社債   株式 債券 (1)-(2)

2016年10月 -120 205 -635 310 -154 52 -206 33
11月 170 -58 -2 229 -175 -4 -171 344
12月 -139 -100 -219 179 -11 182 -192 -129
(内)

2016年10月 -53 6 -161 103 -5 -9 4 -48
11月 -3 3 -67 60 -28 1 -29 25
12月 -125 -4 -144 23 -25 -8 -17 -100
(内)



2016年10月 -406 5 -448 37 7 8 -1 -413
11月 52 -3 24 31 -5 4 -9 56
12月 33 4 25 3 14 5 9 18

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