金融市場NOW

最近の米国経済動向と金融政策について

2014年07月10日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

米国の景気動向

グラフ1:ISM製造業、非製造業景気指数の推移

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

6月の全米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は、55.3と前月の55.4から0.1ポイント低下しましたが、依然、高水準にあります。また、6月のISM非製造業景気指数は、56と前月(5月)の56.3から0.3ポイント低下しましたが、こちらも高水準にあります(グラフ1)。
6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文では、「米国経済の経済活動が、最近盛り返してきた」と記されており、FRB(米連邦準備制度理事会)の2014年の実質GDP成長率(2014年6月時点)は、2.1~2.3%と景気回復基調にあるとの見通しです。

実績 FRBの実質GDP成長率の見通し
2013年 2014年 2015年 2016年
1.9% 2.1~2.3% 3~3.2% 2.5~3.0%

米国の物価動向

グラフ2:個人消費支出コアデフレーター(前年比)の推移

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

5月の個人消費支出(PCE)コアデフレーター(前年比)は、1.5%と前月から0.1%の上昇となりました(グラフ2)。
6月のFOMCの声明文では、物価動向について、「長期的なインフレ期待は引き続き安定しています」と記されており、FRBの2014年の物価見通し(2014年6月時点)でも、1.5~1.6%と安定した推移を想定しています。

実績 FRBの物価の見通し
2013年 2014年 2015年 2016年
1.2% 1.5~1.6% 1.6~2.0% 1.7~2.0%

米国の雇用状況と金融政策

グラフ3:雇用統計の推移

出所:ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成

6月の雇用統計では、失業率が6.1%と前月比0.2%の低下となりました。非農業部門雇用者数は28.8万人増と市場の事前予想21.5万人増を上回りました(グラフ3)。
6月のFOMCの声明文では、「労働市場はここ数ヵ月さらに改善を示しました」と記されており、FRBの2014年の失業率見通し(2014年6月時点)でも、6.0~6.1%と改善を予想しています。

実績 FRBの失業率の見通し
2013年 2014年 2015年 2016年
7.4% 6.0~6.1% 5.4~5.7% 5.1~5.5%

6月のFOMCの声明文では、「最大雇用と物価安定に向け、景気回復を支えるために極めて緩和的な金融政策の継続が適切であることを再確認しました」と記されています。また、労働市場には改善の兆候がみられ、インフレ率は上昇しましたが、「雇用とインフレが目標水準に近づいた後も、当面、FF金利誘導目標は低位に維持されると想定しています」と記されており、当分の間、超低金利政策は持続されるとみられます。 当面は、超低金利を背景とした緩やかな景気回復基調が続くとみられ、利回り志向の投資に加え、株式等のリスク資産への資金流入の増加が期待される局面にあると考えられます。

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