金融市場NOW

相関性と需給動向からみた日経平均株価とドル円の動向

2014年05月29日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

日経平均株価とドル円の相関

グラフ1:日経平均株価とドル円の推移

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

2012年10月以降(データ期間:2012年10月第1週から2014年4月第4週、週間ベース)の日経平均株価と米ドル円の週次騰落率の相関係数※をみると、0.687と高く、ドル円が円安ドル高傾向で推移した時期には、日経平均株価も上昇傾向で推移しました(グラフ1)。

  • 相関係数は+1に近いほど相関性が高くなります

ドル円IMM先物ポジション(非商業)とドル円の関係

グラフ2:ドル円IMM先物ポジション(非商業)とドル円の推移

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

ドル円IMM先物ポジション(非商業)とドル円の関係をみてみましょう。ドル円IMM先物ポジション(非商業)は、2012年10月にドルロングポジションに転換し、その後のドル高トレンドの下支えになったと考えられます。
直近、ドルロングポジションは若干減少したものの、ロングポジションは維持されています(グラフ2)。 ドル円相場は、昨年12月に105円台の高値をつけた後、もみあいの展開となっています。このもみあいを抜け出しドル高の方向へ進んだ場合には、同時にドルロングポジションが増加する可能性があると思われます。

日本株式の外国人投資家売買動向

グラフ3:外国人投資家売買動向と日経平均株価の推移

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

日経平均株価は、ドル円相場と同じく昨年12月以降下落し、もみあいの展開となっています。 直近の日本株式市場では、外国人投資家の売買動向が注目されています。外国人投資家の買越し額(売買代金ベース)は昨年4月にピークをつけ、同8月には売越しになりました。その後、再び買越しに転じましたが、2014年に入り、再び売越しとなりました(グラフ3)。

外国人投資家売買動向(暦年)

(億円)
2008年 -37,085
2009年 17,775
2010年 32,105
2011年 19,725
2012年 29,265
2013年 151,196

外国人投資家売買動向(月次)

*は(A) **は(B)
(億円) (億円)
2012年07月 -2,133 2013年07月 9,421
2012年08月 -338 2013年08月 -1,193
2012年09月 -148 2013年09月 8,064**
2012年10月 1,585* 2013年10月 6,949**
2012年11月 4,925* 2013年11月 22,993**
2012年12月 15,448* 2013年12月 21,725**
2013年01月 12,379* 2014年01月 -11,696
2013年02月 8,542* 2014年02月 -829
2013年03月 16,553* 2014年03月 -5,806

今後、日経平均株価とドル円相場が高い相関を維持しつつ、IMM先物ポジション(非商業)のドルロングポジションが増加し、日本株式の外国人投資家の買越し額が増加した場合には、一段のドル高、株高の可能性もあると思われます。

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