金融市場NOW

IMFの世界経済見通しについて(2014年1月時点)

2014年02月03日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

IMF(国際通貨基金)は1月21日に世界経済見通しを改定しました(表1、グラフ1)。

2014年の世界の成長率予測を3.6%(10月時点)から3.7%に0.1%上方修正、2015年の予測を3.9%としました。主に先進国の景気回復を背景に、世界の経済活動が一段と改善 することを理由としています。

地域別にみてみましょう。

表1:IMFの世界経済見通し(実質GDP成長率)

(単位:%)

※1 インドは年度ベース
※2 ASEANは5カ国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム
出所:IMFのデータより、ニッセイアセットマネジメントが作成
  2012年 2013年 (10月 時点) 2014年 予想 前 年 比 2015年 予想 前 年 比
世界 3.1 3.0 3.7 0.7 3.9 0.2
先進国 1.4 1.3 2.2 0.9 2.3 0.1
米国 2.8 1.9 2.8 0.9 3.0 0.2
ユーロ圏 -0.7 -0.4 1.0 1.4 1.4 0.4
ドイツ 0.9 0.5 1.6 1.1 1.4 -0.2
日本 1.4 1.7 1.7 0.0 1.0 -0.7
新興国 4.9 4.7 5.1 0.4 5.4 0.3
中東欧 1.4 2.5 2.8 0.3 3.1 0.3
ロシア 3.4 1.5 2.0 0.5 2.5 0.5
アジア 6.4 6.5 6.7 0.2 6.8 0.1
中国 7.7 7.7 7.5 -0.2 7.3 -0.2
インド※1 3.2 4.4 5.4 1.0 6.4 1.0
ASEAN※2 6.2 5.0 5.1 0.1 5.6 0.5
中南米他 3.0 2.6 3.0 0.4 3.3 0.3
ブラジル 1.0 2.3 2.3 0.0 2.8 0.5
メキシコ 3.7 1.2 3.0 1.8 3.5 0.5
中東・ 北アフリカ 他 4.1 2.4 3.3 0.9 4.8 1.5
サハラ 以南 アフリカ 4.8 5.1 6.1 1.0 5.8 -0.3
南アフリカ 2.5 1.8 2.8 1.0 3.3 0.5

先進国の成長率は、2014年が2.2%、2015年が2.3%となる見通しです。特に、米国の成長率予測が2013年の1.9%から2014年には3.0%近くまで回復するのが追い風となっていると思われます。米議会における与野党の財政協議の進展などで景気 の下押し圧力が弱まり、国内の消費が押し上げられることが成長加速の背景と見ています。

日本については、2014年の成長率を1.7%、2015年を1.0%と予測しています。経済対策などを背景に、今年4月の消費税率引き上げ後の景気の落ち込みは一時的なものにとどまるとの見方を示しています。また、ユーロ圏については、一部の国にまだ弱さがみられるものの、景気後退局面から回復へとシフトしているとし、ドイツを中心に成長見通しを引き上げています。

一方、新興国の成長率は、2014年が5.1%、2015年が5.4%となる見通しです。IMFは新興国について、国内経済の弱さが引き続き懸念されるとしながらも、先進国の成長が力強さを増すことで輸出が回復し、新興国の成長を押し上げるとしています。また、一部の国では金融政策が景気の下支えになると見ています。なお、成長率では、投資が加速した中国と、輸出が伸びたインドの見通しを引き上げています。

グラフ1:IMFの主要国の実質GDP成長率予想(2014年、2015年)

出所:IMFのデータより、ニッセイアセットマネジメントが作成

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