金融市場NOW

米中間選挙年(大統領就任6年目)の米国株式の動向

2014年01月21日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

2014年は、米国中間選挙の年。
そして、2016年には大統領選挙が控えています。昨年10月には、財政をめぐる議会の駆け引きで米連邦政府機関が一時閉鎖に追い込まれたこともあり、今年は、引き続き政治要因等に注目が集まると予想されます。

米国中間選挙は、大統領就任2年目と6年目に行われ、今年(2014年)は、オバマ大統領の就任6年目にあたり、11月4日に中間選挙の投票が行われます。今年の中間選挙では、上院の3分の1、下院の全435議席のほか、州知事選(36州)や各自治体の議員選挙等が行われます。
今年の中間選挙の焦点は、「ねじれ状態の解消」(上院は民主党、下院は共和党)と言われていますが、現時点では、その可能性はあまり高くないというのが大方の予想です。民主党のオバマ政権はシリア問題への対応への批判や「オバマケア」に対する不信感等から支持率は高くなく、一方の共和党は、昨年10月の米連邦政府機関の一部閉鎖や債務上限引き上げ問題等に対するティーパーティの強引な政治手法に世論から批判を受けました。

中間選挙の動向が米国株式市場にも影響を与えそうです。そこで、過去、1951年以降の大統領6年目のNYダウの年間騰落率を調べてみました。大統領就任6年目のNYダウの年間騰落率はすべてプラスで、平均年間パフォーマンスは22.3%でした。(表1・グラフ1)

米中間選挙年(大統領就任6年目)のNYダウ年間騰落率

党名 大統領 年間騰落率(%)
共和党 アイゼンハワー 1958年 34.0
共和党 R.レーガン 1986年 22.6
民主党 B.クリントン 1998年 16.1
共和党 J.W.ブッシュ 2006年 16.3
民主党 B.オバマ 2014年  
  平均 22.3

グラフ1

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成
  • 1951年以降の米国大統領就任6年目のNYダウ年間騰落率。米国合衆国憲法修正第22条により、1951年2月27日以降、1人の大統領の任期を10年までとした。

グラフ2:米中間選挙年※のNYダウの年間推移

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

また、グラフ2は、各中間選挙の年のNYダウの年間推移を示したものです。いずれの年も、年前半は上下していますが、中間選挙が行われる11月から年末にかけてはすべての年で上昇しています。1958年、2006年は順調に右肩上がりの上昇相場を描いていますが、1986年、1998年は、7、8、9月に一旦下落し、しばらく調整した後に上昇しています。

各州での予備選挙実施スケジュールをみると、3月、5月、6月、8月、9月に行われる予定となっており、この時期には2大政党の政治的対立が深刻化する可能性もあります。 そして、中間選挙の結果次第では、今後のオバマ政権にも影響を与える可能性もありますし、2016年の大統領選にも影響を及ぼす可能性も考えられます。

今後の米国中間選挙の動向が注目されます。

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