金融市場NOW

“お・も・て・な・し”で日本経済再生を!!

2013年12月12日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

ポイント

  • "お・も・て・な・し"。今年の「新語・流行語大賞」に選ばれました。"お・も・て・な・し"で実現する観光立国、日本。日本経済再生の重要な要素だと思われます。
  • 今年1~9月の訪日外国人旅行者は前年同期比22.4%の伸び、累計773万人。訪日外国人旅行者の増加は大きな経済効果をよぶものと考えられます。
  • 特に、日本には、伝統的な文化にプラスして"クールジャパン"と呼ばれる外国人の関心の高い文化があり、インフラが整っており、人口増、中間層の拡大が望めるアジアからも近いという地の利があります。

グラフ1:日本の総人口と名目GDP(実額)の推移

出所:ブルームバーグ、財務省、厚生労働省、総務省のデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

"お・も・て・な・し"。今年の「新語・流行語大賞」に「じぇじぇじぇ」、「倍返し」、「今でしょ!」とともに選ばれました。9月の2020年東京五輪の招致プレゼンテーションでも有名になりましたね。
この"お・も・て・な・し"で実現する観光立国、日本。日本経済再生の重要な要素だと思われます。
現在の日本は、"少子高齢化"の大きな波の中、構造変化を余儀なくされています。経済成長は、人(人口)、物(設備)、金(資本)の関数といわれています。人口が減少する経済では、他の条件が不変であれば、経済成長が鈍化しやすいと思われます。(グラフ1)
昨年来のアベノミクスに見られる量的緩和政策は、市中のお金を増やす政策です。この政策は、リフレを伴い一時的には好況を呼び込むと考えられますが、持続性については不確かで、今後、成長戦略に移行していくことが期待されます。

そこで、注目したいのは、"お・も・て・な・し"で実現する、"観光立国"です。今年、訪日外国人旅行者は大幅に増加しています。JNTO(日本政府観光局)によれば、今年1~9月の訪日外国人旅行者は前年同期比22.4%の伸び、累計773万人となっており、年間1,000万人を超えるという予想もあります。訪日外国人旅行者の増加は大きな経済効果をよぶと考えられます。

グラフ2:訪日外国人旅行者数(総数とアジア)(累計)の推移

出所:ブルームバーグ、財務省、厚生労働省、総務省のデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

日本には、多くの外国人旅行者を呼び込み、観光立国を実現できる利点があると考えられます。

  • クール・ジャパンに対する関心の高まり。日本には伝統的な文化のほか、アニメ、マンガ、ファッション、日本食など外国人の注目度の高い文化があること。
  • インフラが整っていること。鉄道、高速道路なども整備され、トイレがきれいなどの声が多いといわれていること。
  • アジアから距離的に近いこと。人口増で中間層の拡大が望めるアジアからの旅行者の増加が期待されること(グラフ2)。

グラフ3:訪日外国人旅行者数(全体)と日経平均株価の推移

出所:ブルームバーグ、財務省、厚生労働省、総務省のデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

訪日外国人旅行者の増加は、日本経済に大きな経済効果をよぶと考えられます。面白いことに、訪日旅行者数と日経平均株価の推移は似通っているようにもみえます(グラフ3)。

滝川クリステルさんの"お・も・て・な・し"とともに、"クール・ジャパン"の代表格、きゃりーぱみゅぱみゅ。きゃりーぱみゅぱみゅに「もったいないとらんど」の次に「お・も・て・な・し」という曲でも歌ってもらえたら、さらに、日本への観光誘致に弾みがつくかもしれませんね!!

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