金融市場NOW

日経平均株価にみるハロウィーン効果について

2013年11月06日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

ポイント

  • 「ハロウィーン効果」とは、10月末に株式を買って翌4月末に売れば、最も効率的にリターンを上げることができるという株式相場のアノマリー※のことをいいます。日経平均株価で検証してみました。
  • 1971年から2013年までの期間で32勝10敗、リーマン・ショック以降は5勝1敗。日経平均株価の「ハロウィーン効果」はまずまず有効なアノマリー※といえると思われます。昨年10月末から今年4月末までの期間騰落率は+55.2%と過去最大の上昇となりました。
  • アノマリーとは、市場において理論的に説明はつかないが、よく見られる傾向、経験則のことであり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。

「ハロウィーン効果」とは、10月末に株式を買って翌4月末に売れば、最も効率的にリターンを上げることができるという株式相場のアノマリーのことをいいます。欧米では、10月31日に"ハロウィーン"のお祭りが行なわれるということもあり、「ハロウィーン効果」と呼ばれています。

今回、日経平均株価で検証してみました。1971年10月末から2013年4月末までの分析では、42年中、プラスの年は32年、マイナスの年は10年、平均騰落率+8.8%、最大+55.2%、最小-31.1%となりました。(グラフ1)

グラフ1:日経平均株価の期間騰落率(期間:10月末~翌4月末)

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

リーマン・ショック以降の6年間を見てみると、期間騰落率がプラスの年は5年、マイナスの年は、1年(2007年10月末~2008年4月末)のみでした。日経平均株価の過去の検証では、「ハロウィーン効果」はまずまず有効なアノマリー※といえると思われます。(グラフ2、3)

グラフ2:日経平均株価の推移(10月末~翌4月末)

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

グラフ3:日経平均株価の期間別騰落率

出所:ブルームバーグのデータよりニッセイアセットマネジメントが作成

この「ハロウィーン効果」は、株式相場の他のアノマリーを内包しています。5月は"Sell in May and go away(5月に株を売って撤退せよ)"という相場格言がありますが、相場が天井をつけやすいというアノマリーがあります。また、10月は、"クラッシュの月"といわれています。1929年10月24日(暗黒の木曜日)、1987年10月19日(ブラックマン デー)では急落し、2008年10月はリーマン・ショックの後、急落した月でした。

昨年10月末から今年4月末までの期間騰落率は+55.2%と過去最大の上昇となりました。今後はどのような展開になるのでしょうか?

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