金融市場NOW
日本の企業部門の動向について
2013年09月27日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
ポイント
- 法人企業統計によれば、2013年第2四半期の全産業の経常利益は+24.0%(前年同期比)の大幅増益となりました。全産業の売上高は-0.5%(前年同期比)、全産業の設備投資額(含むソフトウェア)は、0%(前年同期比)となりました。
- 日本経済の持続的かつ本格的な回復を実現するためには、企業部門の力強い回復が期待されます。また、これからはグローバルに日本が「企業に選ばれる国」になることも必要だと考えられます。
グラフ1:全産業の経常利益、売上高、設備投資の推移

財務省が9月2日に公表した法人企業統計によると 2013年第2四半期の全産業の経常利益は15兆 6,790億円、前年同期比+24.0%の大幅増益となり ました。これは6期連続の増益です。一方、全産業の 売上高は、311兆6,656億円となり、前年同期比-0.5%となりました。また、全産業の設備投資額(含むソフトウェア)は、8兆3,106億円と前年同期比0%となりました。(グラフ1)
グラフ2:製造業、非製造業の経常利益の推移

2013年第2四半期の経常利益を製造業、非製造業別に見てみると、製造業の経常利益(季調済)は、5兆6,966億円(前年同期比+55.3%)、非製造業の経常利益(季調済)は、9兆3,208億円(前年同期比 +11.3%)と高い伸びとなりました。製造業の経常利益は、リーマン・ショック時には大きく落ち込み2009年第1四半期にはマイナスとなりましたが、今期で3期連続の増益となりました。(グラフ2)
グラフ3:設備投資の推移

2013年第2四半期の全産業(含むソフトウェア)の設備投資額は8兆3,106億円(前年同期比0%)。また、全産業(除くソフトウェア)の設備投資額は、8兆7,559億円(前年同期比+1.3%)となり、3期ぶりにプラスに転じました。製造業(除くソフトウェア)の設備投資額は、2兆9,424億円(前年同期比-9.0%)、非製造業(除くソフトウェア)の設備投資額は、5兆8,135億円(前年同期比+7.4%)と、建設や小売業などの非製造業の新規投資が伸び、全体を押し上げたものの、情報通信機械や食料品などの製造業では投資を手控える動きが根強かったようです。(グラフ3)
日本経済の持続的かつ本格的な回復を実現するためには、企業部門の力強い回復が期待されます。政府主導の成長戦略を実行に移し、成長力の源泉である企業の活力を引き出し、競争力を向上させる必要があると考えられます。また、これからはグローバルに日本が「企業に選ばれる国」になることも必要だと考えられます。法人実効税率の引き下げや戦略的経済特区の設立などの提案がなされています。また、2020年の五輪開催に向けての建設需要や今後期待される海外からの観光客の増加などは1つのきっかけとなる可能性があります。
金融市場動向
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