金融市場NOW
直近のユーロ圏の経済動向について
2013年08月14日号
- 金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。
ポイント
- ユーロ圏経済は緩やかながらも回復の過程にあると考えられます。欧州中央銀行(ECB)は、「政策金利は長期にわたり、現行水準かそれよりも低い水準に留まる」とし、金融政策で景気の下支えを行なっていく方針です。
- ユーロ圏の若年層失業率や財政収支(赤字)対GDP比率の水準はまだ高いものの、直近のユーロ圏PMI総合指数やドイツIfo企業景況感指数(現況指数)には、底打ち感がみられます。
- ECBの低金利政策継続により、ユーロ圏の景気は緩やかな回復を辿りつつあります。景気回復に伴い、株式市場も緩やかに上昇するものとみられます。
グラフ1:ユーロ圏の金融政策

欧州中央銀行(ECB)は、8月の政策理事会において、先月の理事会で導入した「政策金利は長期にわたり、現在の水準かそれよりも低い水準に留まる」というフォワード・ガイダンスを全会一致で再確認しました。(グラフ1)
グラフ2:ユーロ圏の景況感
ライトテキストダミー

7月のユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)(総合)は、50.5と前月の48.7から上昇しました。また、ドイツIfo企業景況感指数(現況指数)は、110.1と前月の109.4から上昇し、底打ち感がみられます。(グラフ2)
グラフ3:ユーロ圏の若年層※注1失業率と財政収支/GDP比率

6月のユーロ圏の若年層失業率は23.9%、ギリシャ(4月)、スペイン(6月)は50%超とまだ高い水準にあります。また、2012年のユーロ圏の財政収支対GDP比率は-3.7%、ギリシャ、スペインについては、-10%以上と緊縮財政が必要とされる状況にあります。(グラフ3)
グラフ4:ユーロ圏の株価指数の推移
データ期間:2008年1月第1週~2013年8月第2週、週次

ECBの低金利政策が継続し、ユーロ圏の景気は緩やかな回復を辿りつつあります。景気回復に伴い、株式市場も緩やかに上昇するものとみられます。(グラフ4)
金融市場動向
関連記事
- 2025年02月20日号
- 機械学習の手法を活用しシクリカル株に投資(前編)
- 2025年01月23日号
- 成長性を評価する定量指標(1)
- 2025年01月17日号
- 【アナリストの眼】データが導くヘルスケアのイノベーション
- 2024年12月13日号
- 【アナリストの眼】食品企業の挑戦:インフレ継続をチャンスに変えられるか
- 2024年11月18日号
- 【アナリストの眼】KDDIがローソンと挑む「ソーシャル・インパクト」は、株主の期待に応えられるか?
「金融市場動向」ご利用にあたっての留意点
当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。
【当資料に関する留意点】
- 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
- 当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
- 当資料のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
- 手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。
- 投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。